シュプリーム5巻は一種衝撃的。
分かる人には分かっていたことでしょうが、衝撃的なほどファーストコンサートは失敗に終わっています。
大がここまで大きくクラッシュしたのは、おそらく仙台のファーストライブ以来じゃないでしょうか。
リーダーである彼の浮つきに、メンバーそれぞれの緊張と通じ合わない創意によって、6割の客が帰る大失敗に終わっています。
これだけのメンバーが揃いながらも、これ。
やはりセッションというのは難しいのだなと、強烈に描かれた5巻でしたね。
(とはいえ、さすがに10日でファーストライブへ、というタイトなスケジュールはなかなか厳しかったわけですが)
今巻は、前巻の巻末で出てきた「誰やねん、お前!」なボリスの甥、ガブリエルが登場。
彼は意外なキーマンで、バンドのサポートメンバー(運転手)として良い味を出してくれてます。
実際のところ、今のメンツで移動の足は絶対的に必要。
ベルリンでライブをやって稼ぐ、という選択肢が事実上消滅した以上、金策の手はなく、鉄道での移動はかなり難しいわけで。
窮地に陥った空中分離状態のバンドに、今は走り続けろとツアーの道を示したガブリエルは本当にキーマンでしたね。
そしてそれも、ボリスと大の個人的な関係があったればこそ。
大の人を惹きつけていく魅力があればこそであり、少しずつバンドメンバー(というかブルーノ)はリーダーとしての大を認めていっているように見えますね。
正直、個人的にはかなり驚かされた一巻でした。
ただ、面白いですね。
ここからどう這い上がっていくのか、楽しみです。
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