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これはドM御用達というべきか。まるで、サキュバスに狙われた、獲物であるところの男子が、見事にワナにはまって墜ちていく瞬間をまとめた、羨ましい――もとい、恐ろしい作品集である…… この手のジャンルの中では珠玉の逸品ではないだろうか。
もう使われるには古臭くなって久しい『肉食系女子』が、『クリオネ系女子』という、進化しすぎてワケワカメな言葉になったときのような、まるでそんなクリオネ級の生態=ヒロイン衝撃の実像をこれでもか、とブちまけてくれる、そんな一冊なのである。
そして、哀れな男子は、服従する以外に術を持たないのであった…… なんという業か。
耳と足には、とりわけ細心の注意を怠らないようにするしかあるまい。この意味は、是非買って読んで確かめてほしい、以上!!
レビュアーが選んだジャンル
2023年04月14日
毛色の違うエロ系ストーリーもの。無抑性シンドロームが尻切れトンボだったので、続きが読みたくて購入しました。しかし……前作の方が面白かったかな。利くのが違うツボだった、という印象。
雰囲気は女性作家にありそうな感じで、よくある設定ながらも、どんな展開が待ち受けるのかに興味がわいてきます。
エロは比較的淡泊で、描写によって抜けるという印象ではないですね。さらっと綺麗で。絵柄もムラムラくる感じではありません。
エロよりも筋運びに軸足が移った印象で、それゆえ、前作のエピソードの風味を期待しているとアレっ?!となりました。
一般誌のコミカルなエロ系として読むべきなのかも。
電車の「あの時の娘」の続きは、まさにどうなるのか知りたかったものズバリでしたが、読んでみると、いまいち、ノレませんでした。あまり捻りがなかったというか、際だって個性的でもなかったので。
そんなわけで、内容にあんまりシンクロできなかった、というのが大きいです。
「まさか、おばあさんに!?」ってのは、をいをい(笑) いっそのこと、もっと弾けて欲しかったかも。
アイドルもせっかくのいいシチュエーションなのですが……どうにも、エロ漫画として読めなくて、盛り上がらなかったです。次は買わないかなぁ。エロ漫画じゃないモン。
割とこういったエロの絡むファンタジーは読まなかった輩です。見本ページだけで興味を覚えて購入しました。続きを読んでみると……あまり、エロ成分に集中できなかったですね。けっこう陰惨な展開になっていて。この手のに慣れた方にとっては、よくあるパターンだと思いますが。
逆に、鬱展開の先が想像できるようになってしまいます。エロ描写もどちらかというと絶頂場面が見せ場みたいで、シチュエーションから高ぶっていく私には、今ひとつダメでした。
背景設定は簡潔でよくまとまっていると思いました。私の求めていた要素がほとんど語られなかっただけで……
ファンタジーなのに、科学技術的な研究としての道具立て――というよりも、画面(えづら)に出てくる、宙に浮いたスクリーンみたいなもの――に違和感を覚えます。ここはもう少し「魔法」らしき表現(せめて魔方陣に留めておく)の方がよかったと思います。
望まない性行で魔力が高まるということになっているのですが、筋書きはそっちを描かずに、「望む」方――つまり、堕落していく痴女達が主役となっていきます。私に言わせれば、頑として愉悦を拒むタイプが一人はいなくてはいけないと思いました。その方が対比になり、両方のタイプで物語と性描写を楽しむことができたはずだからです。
クライマックスは、やっぱり序盤から2話中盤で、既に想像できた通りのもので、それを超えるような捻りがなかったのが残念です。
読み終わってから、エヴァっぽいな、って思いました。徐々にヴェールがめくられ、真相が明らかになる一連の制御された流れに、独特のスタイル=エヴァっぽさを感じたのです。ある種の既視感なのですが、このスタイルを意図的に真似るとしたら難しい部類です。
少なくとも、主人公がやりたい放題の背景に説得力を与えるとしたら、それは並大抵のことではないでしょう。にもかかわらず、この作者の切り口はいつも巧みです。
愛するがゆえに相手からの人格無視な振る舞いを許容する、という被虐的な性癖に刺さるのが上巻冒頭のメイド:リーザ。心を持って自律した綾波みたいな第一印象でした。
そして主人公フランツが招待された秘密の花園。なぜ、リーザは大好きなご主人様を、他の女達に与えることを許したのでしょうか。電話の相手「奥様」の正体とは? リーザが出来なかったこととは一体? 果たして彼女は幸せを享受できるのでしょうか? サスペンスタッチの展開が先を読ませます。
双子メイドは、映画シャイニングでしょうか。下巻まで読んでくると、映画アイランドを連想する方もいるかもしれません。作者の豊富なイメージソースを伺わせます。
コマ割についてですが、無駄に線が多いにもかかわらずページが白く、赤月みゅうと氏の近作と比較すると、若干拙い印象を与えます。しかし、逆にそこが初々しく、むしろ生々しいパトスを放出してくる線画だと言えるでしょう。
描かれるシチュエーションは多方面に及び、きっと実用にも耐えるはずです。例えば、オペラントコードを使って、不良三人に逆襲するくだりは、私のお気に入りです。氏の漫画にはよくあるシチュエーションで、三人の中には必ずショートカットの無口な娘がいるのです。内心、逆襲を喜んでいたりと腹黒ですが。
クライマックスにかけてはイキシアの存在が光っており、我を曲げることを知らない彼女が最後にどこへ行き着くのか、是非、確かめてみて下さい。