松本椎張's Review List

どちらかと云うとシンプルさが印象的だった絵柄がこの作あたりから陰影濃く・表情豊かに、ストーリーもより深みを増して…と、ぽんふぁーずさんらしさがより明確に打ち出されるようになったターニング・ポイント的な位置付けの作ではないでしょうか。この頃からフレームも縦長が専らになって、視線の上下移動=映画で云えば縦パンの効果を導入。後にはコマ割りもさらに斬新に・大胆に…とますます個性的で、超・長寿&人気少年漫画の某・奇妙な冒険、時にアレを彷彿とさせたりします。

主人公が複数な上、いつもよりコミカルさがアップして、それぞれの初体験をほのぼのラブコメタッチで…と思いきや、最後の三分の一で第三の女性が登場、急転直下でドロドロのただれた世界が…ここの呼吸と云うかリズムと云うか、素晴らしいなーと思いながらたびたび本作を読んでいます。これもまた続編(三組のスワッピングや乱交)が読んでみたい一作ですね。

これからも新作を楽しみにしています。どうか末永いご活躍を。

旧作に比べやや劇画タッチの冒頭ですが、それよりヒロインが終始カメラ目線で読者に語りかける前衛っぽいナラティヴが斬新。ぽんふぁーずさんのシネフィルぶりと共に、第30作記念!という意気込みが伝わってきます。プロットそのものはシンプルですが、ヒロインの語りや過去&妄想のフラッシュバックが錯綜して、時に戸惑うほど。○校生時代の初体験、過去のショタ食い、同好の女友達等々が思わせぶりに語られ、それもどこかトラウマ的なものを感じさせて、現在の嗜虐的なショタコンの淵源を暗示します。

そんなぽんふぁーずさんならではの朦朧法的展開ですが、それが今回は仇となってか、本番のHシーンのインパクトが時に霞んだり、舌足らずで「?」な箇所が散見されるのが気になって、もしかしてヒロインの夢オチなのかも?と途中で何度も思ったりしました。全体が長くなり過ぎるのでカットした部分があるのかもしれませんね、あるいはアイデアを盛り込み過ぎたとか(台詞の誤植も一、二あるようです)。いつもの省略法が少し過剰気味で、例えば最後に出てくる少年、あれは本編とは別の子なのかどうかで作品全体の印象がずいぶん変わってくると思うのですが。やはりあと少しの頁数か説明が欲しいところです。

わずか2コマながら、ペ○バンで逆ア○ル…のカットがあるのが眼福でした。結局おねショタってSMの一変形で、ぽんふぁーずさんの作のように専ら女性主導なのは、言わばSおねMショタ志向。新たなチャレンジの一環として(それがぽんふぁーずさんを読む毎度の楽しみなのですが)、このポテンシャルを追求したさらなるハード作も読んでみたい気がします。

作品として極めて意欲的&大胆でその点第30作記念ならではの読み応え。実用面でも十分満足ながら、全体としては意欲が余っていささか整理不足、ためにドラマ面でちょっと難解、といったところでしょうか。

次回作も大いに楽しみにしています!!

twitterその他で事前のお知らせもなく、またいつもの時期にはちょっと早いと油断していたところに時ならぬ新作リリース。嬉しい驚きでしたね。

前作『ナタリアさんと僕』は、絵的には文句なし&設定も新鮮でしたが、ドラマ面の深みが今一つ。自然、背徳感も希薄な観があってわずかな不満がありましたが、今回は余計な描写や場面を極力省きつつツイストもしっかり効いて、濃密かつ背徳的な展開が大いに読み応えありました。もちろんエロスもふんだんで、実用向けが好みの方も十分満足が行くのではないかと。

複数のプロットが同時進行するスタイルは『悪い子たち』『怪しい関係』、現在⇔回想シーンのフラッシュバックは『ママと』など、ぽんふぁーずさん十八番のナラティブも他では得難いものですが、今回は特に効果的―二組の母子の寒暖それぞれの背景、有声&無声のコントラスト―だったような。外国映画のような絵作りもいつもながらの洗練度。加えて終盤のPOV風な演出(?)が新機軸、かつ上滑りしない意味深さがあります。最後はどうシメるかと思わせて、やはり期待の(笑)母子二組スワッピングになるわけですが、このさりげなくも背徳的な幕切れがまた素晴らしい。

タイトなプロットが反映して33ページとボリューム少なめですが、良心的過ぎる価格でこの内容はもったいないほど。ぽんふぁーずさんビギナーにはひときわオススメしたい一作ですね。

次回作はいよいよ30作目、如何なる作か期待が膨らみますね。括目してお待ちします!!

新作をいつも楽しみにしているだけに、例年よりやや発売が遅れたのには時節柄心配になりましたが、こうして無事完成作を拝見。お元気なようで何よりでした。

その新作は前々々作『お姉さんと僕』系の、謎めいた年上の女性がヒロイン。SF的な背景を匂わせた『お姉さん～』に比べて、今回はサイコ・ホラーに通じる闇の怖さをほのかに感じさせ、VHS時代のVシネ・サスペンスを思い出したりしました。それともあの精神科医が主人公のアレ、なのかも。あの映画へのオマージュまたはあちらからの影響を感じさせる場面・台詞が幾つかあるような気がします。最後の数ページは、その後の流れを想像してちょっとゾクッとしましたね。いつもよりほんのちょっと年上っぽい少年の末路が気になります。ただ、飽くまで「そうなのかも?」程度の朦朧法的隠し味(海外の怪奇&ミステリー短編を連想させます)。ぽんふぁーずさんならではの品のあるムードは損なわれていませんので、今までのファンにも安心です。失礼ながら幅広い支持が今一つなのも、この変わらぬ品の良さ(渋さ?)故なのかもしれませんが、これがなくて何のぽんふぁーずさんなので、個人的にはこの作風を大事にしていっていただければと思っています。

少年の顔の絆創膏、夜にしか現れないヒロインの衣装(登場のたびに少しづつ違います)などの細やかさ、表情やキスシーンのエロスはますます磨きがかかって、いちいちコマを拡大して見入ってしまうほど。こうしたヴィジュアル面での洗練も毎回の楽しみです。この濃密度と深みにこのヴォリューム(全59頁)、価格が倍でもお釣りは要らない、と言っていいほど。前作『怪しい関係』が過去最高の傑作と思っていましたが、早くも記録更新ではないか、と。

次回作も期待しています!!

ドラマの構成といい語り口といい、描写・表現の豊かさやキメ細やかさといい、ぽんふぁーずさん全作品中でもたぶん最高傑作。好みは人それぞれでしょうが、少なくとも洗練度と完成度には文句があろうとは思えません。全39ページのボリュームですが、これほどの充実にはこの分量が限界なのかも。本サイトで人気ランキング以外にベスト作品賞があるとすれば、受賞間違いなしと言っていいくらい。なかなか褒め言葉が見つからないほどです。

姉弟相姦という題材に最後の1ページは、数年前のカンヌ映画祭で受賞候補にもなったある外国映画を思い出しました。ハリウッドを舞台にしたアレ、ですが。もしかしてぽんふぁーずさんもご覧になったのかも。

一言で言って、ますますファンになりました。次回作も大いに楽しみにしています。

ぽんふぁーずさん久々のダーク・ストーリーですが、ヴィジュアル表現は以前にも増して肌理細やか、独特のコマ割りも外国映画のような繊細さ。加えてヒロインの本性を偲ばせる黒の衣装、時おり見せるワルな目付き等々も印象的です。グラマー+タートル・ネックはイイですねー。

後半からの意表を突く展開はちょっとアガサ・クリスティを連想したりも。登場人物たちのあからさまには語られないバック・ストーリーも複雑かつミステリアス、「ヒロインの夫や主人公は実は気が付いてるんじゃ?」「甥っ子とヒロイン&その知り合いとのその後は?」等々と想像が膨らんだりして、こちらもぽんふぁーずさんならでは。リビドーをぶちまけるだけではないドラマ性は18禁同人漫画というよりフラ〇ス書院その他の官能小説のテイストで、同人作にも商業作にも得難い別の意味でのアダルト性があります。全57ページのボリュームもお値段以上の満足感。おねショタにはどうしてもSMチックな展開(アナル責めなど)が期待されてしまいますが、そちらは希薄なのもぽんふぁーずさんの個性ですね。

日常を舞台にした作が幾つか続きましたが、またファンタジーや時代劇、あるいはSFやぐっと和風な(明治～戦前期とか)作品世界を見てみたいとも思っています(決して注文や要望ではないので、お気になさらず)。次回作も大いに期待しています。

一種のファンタジーでしょうか、エスパーまたはアメコミ風(?)スーパーヒロイン的雰囲気の漂うお姉さんとの出会いを描く異色編。謎めいたキャラ(ヒロインの目に常人ならぬものを感じさせます)や心理描写で最後まで読ませて飽かせないのはぽんふぁーずさんならでは。また、ここのところ際立っているのが間接照明の隠微(淫靡?)感、ですね。

いささか異色過ぎたかなと思うのは、設定と展開の面白さに引っ張られて、肝心のH部分が(充分に濃厚で満足出来るレベルなのにもかかわらず)全体の物語から水と油のようにちょっと浮き気味な点で、少年ジャ〇プにあってもおかしくなさそうなテイストはむしろ成年要素抜きでもよかったかも、と奇妙な感想を持ちました。同人作品としては星5つ、成年向けとしては星4つといったところでしょうか。あるいは逆に同人作として(若干の練り込み不足から)星4つ、成人作として星5つかも。ドラマ部分がもうちょっと長めに描き込まれていたら、バランスがとれて一層よかったかもしれません。

ぽんふぁーずさんの、特に最近の作品についてですが、以前のようにダークな行く末を暗示するのではなく、ハッピーなムードの結末を迎えるものが目立ち、そういう作品については続編を見たいなと感じることがしばしばです。本作や前作『姉帰る』など、更なる展開へのポテンシャルを十分持っていると思えますし、あるいは複数回からなる長編がこれからはあっても、とも。

まあ、以上は一ファンの勝手な感想と要望なのでお読み捨ていただければいいのですが、ただ一つだけ実際にお願いが(汗)。ツイッターでもブログでも、月イチ程度で構いませんので近況や活動のご予定などお知らせいただければ、と。半年近くも更新がないと、時に心配になったりしますので。

これからも楽しみにしています。

いつの間にかご活動も10年目になるぽんふぁーずさんですが、その記念すべき本作は、異世界ファンタジーを背景にした前作とは対照的に、ごくありふれた日常にふと入り込む背徳を、それでもごくサラリと描くこの方ならではのもの。隠し味的にややコミカルなタッチは前々作『悪い子たち』のバリエーションとも言えそうです。ここ何作かを拝見していると、キャラの表情に独特な豊かさがあり、なおかつ本作は初期作のテイストが若干よみがえったようでもあり、以前からのファンである私には十分満足出来る内容でした。

ただ、いささかの軽味が薄味に取れなくもなく、あるいはこの淡泊さが本作最大の特徴かもしれませんね。続編でさらなる展開があってもいいかも...などとも思いました。

まあ、同人活動は人気や商売よりも作家さんご自身の好みや思う方向を追求するものですし、私もぽんふぁーずさんのそういう意外性や新境地・新機軸が楽しみだったりします。今後とも息の長いお仕事をぜひ、と期待しています。

西洋ファンタジー風世界観を背景にした異色編です。力の入った冒頭部分のあとは、40ページ以上に亘ってじっくりと行為が描かれ、読み応え十分。場所や時間帯を変えて...というメリハリを省いて、一室での一夜に舞台を絞ったのも新機軸。唇や舌、目など、ヒロインの表情が豊かで飽きさせません。西洋モノということから、ちょっと古い映画ですが『テンダーカズン/妖しき従姉妹』の一場面を思い出したりしました。

　あとがきによると「当初は差別や偏見をテーマにするつもりだったがやめた」とのことで、そう言えば確かに、目新しい設定のわりにはいつもの背徳的なドラマ性はやや希薄、このあたりが制作途中での変更が災いしたところなのかもしれません(ラストシーンに当初のテーマの名残りがあったように思います)。少年にドリンクを飲ませたりする場面に「ダークなオチがあるのかも?」と期待したりしました。

　嗜好や方向性はさておき、上記のように読み応えはたっぷりでお薦めです。以前からのファンの方々には「今回はやや実用向け」と評しておけばいいかもしれません。

　次回作も期待しています!

ぽんふぁーず様(ほぼ)一年ぶりの新作ですが、待っていたかいアリ!の充実した作品でした。76pのボリュームも読み応えタップリ。リアル&シリアスで陰のあるおねショタを一貫して追求されているのは同人界でも異彩を放っていると思うのですが、もう引退された(?)官能小説家で斎藤晃司さんという方、この方の作風に通じるものをいつも感じます。

　ハッとしたのが技法の発展と言うか、かねてからの持ち味がさらに深まって、効果線や擬音その他漫画特有の記号表現をギリギリまで排し、専ら構図とコマ割りでドラマを描き込んでいくのは、縦画面のナラティブと相まって良質の映画を観るよう。背景の描き込みや表情の陰影付けもこれまでにない入念さです。(文字制限のため未完。全文はぽんふぁーず様のDLsite blogに投稿の予定です)

「次作は秋ごろ」とうかがっていたのがやや遅れ、年明けかなと思っていたところに突然のリリース。嬉しい驚きでした(^^)。

金髪碧眼のキャラに未来の宇宙時代とは旧作『ナタリアさんと僕』を思い出させ、実際初めのうちは続編かとカン違いしていました(恥)。今回は(たぶん)甥&若い叔母。既にエッチ済みの二人が時を経て再会、過去の初体験のフラッシュバックとの交錯で物語が進む…という展開。インモラルならぬ純愛路線なのは、近作『ずっと前から』『お姉ちゃんと僕』のSFヴァージョンと云っていいかも。少年の名前はひょっとしてあのコンピュータにちなんで、なんでしょうか。

ヒロインは何らかの軍務で宇宙に赴任、帰還して再び少年と…というストーリーがぽんふぁーずさんならではの抒情的な(レイ・○ラッドベリ風味の?)朦朧法で語られますが、世界観の設定にこだわったせいか二人の性格描写がやや曖昧、従って背徳感も…が難点かも。ヴィジュアル面(デッサン・色・構図…)が抜群なのは相変わらずで、表情のきめ細やかさなどますます濃密なだけに、ドロドロ感(?)が不足気味なのがちょっと惜しいような気がします。頁数がもっとあれば、ドラマ面の詳しい描き込みで更に読み応えのあるものになっていたのでは…と。そのあたりの物足りなさで、全体にイラスト集のような印象を受けました。絵のレベルとドラマの深み、その両方を追求するのが作家さんには難しいところなんでしょうね。リリースが遅れたのもそのあたりに苦労されていたせいなのかも。絵は☆五つ(ラスト、夜の海と星空の美しさは素晴らしいです)、ドラマ面では☆四つから三つ半と云うところでしょうか。

次回作も大いに期待しています!!

前作『お姉ちゃんと僕』に続いての姉弟相姦ものながら、今作は義理の関係。と云っても血縁、従弟・従姉同士らしく、親戚の家に引き取られた少年がその家の女子大生と…と云うお話ですが、いささか戸惑うのが、少年の両親ともに不在の理由が「?」なところ。

そう云うちょっとした引っかかりもシンプルさを求めた副作用だと思いますが、全体に少しシンプル過ぎたような。二人の関係がさほどの葛藤もなくアッサリ成立、最後までラブラブのストレートな展開に背徳感が希薄で、このジャンル=「おねショタ」や「近親相姦」のファンには物足りないものがあるかも。

そんなわけでドラマ面ではややスッキリしないものが残りますが、絵については構図・デッサン・色いずれも文句なし。姉の目付きや髪形、表情の淫靡さはこれまで以上で、二人が四肢を絡めて抱きしめ合う、読者にも体温が伝わってきそうな生々しさも◎。実際にモデルさんを置いて描いておられるのではと思えるほどです。最後のボツ絵も嬉しいオマケでしたね。

最近のぽんふぁーずさんには姉弟ものが目立ちますが、また熟女系も読んでみたいですね、少年を大人のオモチャにして弄ぶような。SFやファンタジー、歴史ものにも、再度ぜひ。そう云えば、複数プレイもご無沙汰のような。これも是非ぜひ。ボツ絵を拝見してふと思いましたが、時にはイラスト集的なものを作られてもいいんじゃないでしょうか。

次回作も期待しています!!

高評価に惹かれて購入・拝読しましたが、確かに傑作。ロリ属性には余り縁がない評者ですが、ここまで来たらこれはもはやおねショタ、それも大好物のSおねMショタ。自分でも意外なほどハマりました。同じ作家さんの商業誌作に比べ、同人作ならではのややラフな絵柄ですが、ラフ・タッチ好みの評者にはこれもヒット要因の一つです。既に幾つか声が挙がっているようですが、ぜひ続編を!と評者も一票を入れたいですね。今回はなかったパイズリ、足コキ、拘束、アナル責め(舐めはあり)等々男の子イジリがさらにエスカレートする、このカップルの『悪魔の○○○』シリーズなんてぜひ読んでみたいと思います。

ぽんふぁーずさん待望の新作。やっぱりこの方の新作がないと盆&暮れを越した気がしませんね。

タイトルが旧作『お姉さんと僕』と紛らわしいですが、『怪しい関係』『姉帰る』と同系列の姉弟相姦もの。その設定からすると当然ですが、途中で何かと邪魔が入ってその都度未遂に…に加え、今回は着衣場面が多く、ますます焦らし感がアップ。全53頁の27頁目=後半からいよいよ…と満を持しての展開に。表情、特に唇や舌、目付きのきめ細やかさはぽんふぁーずさんならでは。今回は傾斜気味のアングルや今までにないポーズ・体位も目立って、この新機軸もいつもながらの楽しみです。少年の○○がいつもと違ってLLサイズなのも「!?」ですね(笑)。

難点は、衣服から想像される季節感が今一つハッキリしない(秋?冬?)のと、制服が同じなので弟と同じ○学生、または中高一貫校で高○生のはずのお姉さんの経験豊富な感じがちょっと不自然かも。それと、前半・後半の二等分構成は後半がほんの少しパンチ不足。シンメトリーに拘った副作用なのか、前半のドラマチックな紆余曲折と後半のストレートさがむしろバランスの崩れ、濃淡の差を感じさせる結果になっているような気がします。小説や映画、音楽も然りで、この辺りは難しいところですね。前半を熟読して後半は流し読み、あるいはその逆と、読者によって読み方が異なる作かも。うるさいことを云えば、上記のLLサイズに関連してるのかどうか、ぽんふぁーずさんにしては珍しくデッサンに微かな狂いがあるのでは…とやや気になる箇所も一、二。

ただ、以上は飽くまで成年要素についての話。純粋にドラマとして読めばムード満点の傑作なのは間違いなしで、お姉さんの母性愛(?)と学校では孤独な弟の切望感の絡み合いも、どちらかと云えば非現実性の強いおねショタものにはなかなか見られない説得力とリアリティがあります。

次回作も大いに期待しています!!

ヴィジュアル面は安定の素晴らしさ。今までのファンにも安心出来ます。今回は特に(サンプル画像でも分かる通り)カラフルな色使い、中でも寒色⇒暖色⇒寒色…と変化のある背景にコダワリを感じました。

ストーリーは『スター・ト○ック』的宇宙SF…は飽くまで基本設定のみ。過去のファンタジー作『オリザとレマ』『お姉さんと僕』同様、ごくストレートな展開です。で、それらとも共通するかすかな個人的不満は、せっかくの設定が十分に機能せず、ちょっとストレート過ぎて背徳感希薄のまま終わってしまったことですね(その方が好み、というユーザーも少なくないと思いますが)。これがぽんふぁーずさんのファンタジー作品の特徴なのかも。ここ何作かが名作と言っていいほどドラマティックな充実があっただけに、正直もう一つ何か欲しいなと。

いきなり主人公に迫る大胆な(大胆過ぎる?)ヒロインには、ダークなヒネリが好みの評者としては「もしかして何か裏があるのでは?」と疑ったりしました。『すばらし○新世界』のようなディストピア的管理体制による洗脳教育・思想統制、とか。あるいは本当にそういうウラ設定があるんでしょうか。主人公の見る夢や古代都市などにヒントが隠されているのかも。

個人的評価は絵柄(Hも含めて)で星5つ、ドラマ面での若干の物足りなさで星マイナス0.5、というところ。成人向け同人作品に何を求めるかで評価が微妙に揺れる作品、でしょうか。ただ、実用に特化すれば、この値段で十分お釣りが来るほどなのは確か。

蛇足ながら、いつも思うのですが、タイトルが抽象的と言うか淡泊と言うか、それこそダイレクトに内容を示すキャッチーなインパクトに乏しく、新規ファンの獲得に損をしているところがあるのではないかと。余りに露骨なものだと興醒めなのは確かですが、タイトルだけ見てスルーしている人がいるとしたら、もったいない気がします。

次回作も期待しています!

贔屓にさせてもらっている絵師さん・作家さんは多いのですが、同人で「出たら迷わず購入!」に決めているのはぽんふぁーずさんとあとお一方だけです。

　前作『佐助とお国』は大ボリュームの意欲作でしたが、そのせいか似た絵柄・構図・配色(肌色がメインになるのは仕方ないところながら)が多いように感じられ、やや単調とも思っていたところ、今作は内容と分量のバランスがほどよく、描写の過激さが増したこともあって、とても満足出来ました。アナル・前立腺責めはおねショタの華、ですね。

　初期のぽんふぁーずさんは某・プロ作家さんの影響がかなり濃かったと思うのですが、最近は独自の境地を切り開きつつあり、エロスとは別の意味でも一作ごとに読み応え、独特の香気が増しているようです。ページから音楽が聴こえてくるような、とでも言いますか。思うに、漫画以外に映画も相当お好きなのではないでしょうか。

　ブログを拝見するとママショタにも意欲を出しておられるとか。今の品格(ルネッサンス名画『愛の勝利の寓意』をいつも思い出します)はそのままに、一層過激でドス黒い物語も読んでみたいですね。

　いずれにしても、次回作も大いに期待しています。

シリーズ全編拝読しています。今回はちょっと間が空いて、画風も若干お変わりになったような。それでも、エゲツないはずの題材をきれいに描く手腕は変わらずさすが。今回は初の挑戦=血縁者との近親相姦ものでしたが、とても満足出来ました。続編も見たいところですね、今度は実母=ヒロインの実姉が絡んできて…とか。ショタ責め風味もさらに過激にしていただければ、とも。ついでに勝手な要望ですが、過去のシリーズをまとめて紙媒体で書籍化したものがあればなあ、と思っています。

　いずれにしても、次回作も期待しています。