zen's Review List

ちょっとしたアニメーションの付いたマンガ仕立ての一枚絵が、六つのパートに別れ配置、という構成になっている。
肉感的なCGで、さらに閉店目際で客に強引ぎみに迫られ少し困っているという状況が、よりエロさを増す良いスパイスだった。

あくまでマンガ仕立てだが、ちょっとしたストーリーさらにはオチまであり、原作を知らない自分でも楽しめる作品だった。

プロの作品や商業ゲームをリメイクしたものがメインで、絵柄はもちろんのこと、一部にあててある声もレベルが高く、そういう意味では全く問題はない。
クリックすることによって反応する部分や「動漫画」のギミックは、大胆に動くわけではないので過度の期待は禁物だが、雰囲気づくりとしては成功していると思う。

カモフラージュ用のダミー画面(検索系リンク画面)なんかもあったりして「ギミックス」の名は伊達じゃないな、と可笑しかった。

作中にも「女子○生をモチーフにした恥ずかし〜いポーズ集」と銘打ってありまさにその通り。
単なるポーズ集にとどまらずそれ以上の描写もあり、十分な「濃さ」だった。
個人的には、テキストなど描写をより具体的にする要素がほしかったと思う。

作中のCGを使った壁紙が数点収録されているが、こちらのほうがより迫力がある、端的に言えばエロくて驚いた。

本当に、ただひたすら「サドルの上に乗った女の子」の作品になっている。
過度の描写はほぼないが、その分リアルと言えるかもしれない。
物足りなさが残る短さのものもあるが、ほぼ全てにストーリー付けがされており、かつギミックがこらしてあるため全体としてはそれなりに楽しめた。
中でも「サドルになった俺」は絵柄、シチュエーション共に楽しめ、唯一のマンガであることもあり、これだけで価値はあったと言える一番のお気に入りである。

シチュエーションはひたすらぶっかけ。
それ以上でも以下でもないが、妙な具合に純粋な子が「先生からの洗礼を受ける日々」というストーリー仕立てになっているので妄想でフェチを刺激するには十分かもしれない。
透明感ある絵柄が気に入ったので購入したが、キャラクタの日記として書かれる淡々としたストーリーが、より面白かった。

作品内容欄にもある通り本作『Bad Name』は、現在もフリー配布され、本作にも同梱されている『masher』の続編です。

本編中の演出、展開などいずれの要素もこの作品の自然さ、真剣さを支えています。
しかしなんといってもその最大の要因は前作『masher』にあるといえます。

『masher』における、痴漢され追い詰められていく主人公視点での展開は、主人公の平穏な日常が丁寧に描かれている分、そこからの落差も相まって陰鬱にすら感じられるほどです。

続編にふさわしく『Bad Name』でも丁寧な描写は健在です。陵辱する側の像がおぼろげながら見え、陵辱行為が本格化していくといった前作から一歩踏み込んだ展開は、陰鬱さは薄れ、主人公が汚されていく淫靡さが魅力的でした。

実は本作は三部作中の二部目らしく、三部目の告知、アンケートが現在行われているようです。

そういった意味でも期待、満足できる作品であるとオススメできます。

ストーリーや世界観の説明は体験版をプレイすれば、不要でしょう。

本作の欠点かと思える点は、
・移動のしにくさ、戦闘回避のしづらさ
・ツクール特有?の少々雑な、「街中移動時における」キャラグラフィック。

とはいえ二点とも、ひとそれぞれと言えるでしょうし、前者は「キーボードでRPGをする」ことに由来したもので、大きな問題ではありません。後者も改善されれば尚良い点とは考えたものの、現状でも特に問題ありませんでした。


良点として特筆すべきことは一風変わった戦闘システムとキャラ強化です。

戦闘は「一合ごとに相手の手を読みきりこちらの手を決める」という形になっており、攻撃、必殺、術、防御等複数の手の相性に配慮することで有利な展開が生まれます。

キャラ強化は「レベルアップで溜まったポイントを何度でも自由に振り分ける」ことで各パラメータが強化されます。攻撃を強化し速攻型にするか、防御を強化し慎重型にするか等、戦闘スタイルだけでなく切り替え自体もいつでも自在です。


アイキャッチやキャラグラフィック、時折挿入される一枚絵は美しく、世界をよく表現しています。
街の人々も一キャラクタとして十分個性的で深みのある発言をして、世界の存在感を高めています。

ある時はコミカルに、またあるときはシリアスにストーリーは展開し、その中でキャラクター達は各々の信念を見せ、決断をしていきます。
多くのキャラが登場する中でも、主人公二人の関係性は新鮮で自然で、本作品最大の魅力と言っても過言ではありません。

一見にしかず、ですので上記は体験版で是非体験してください。