ホトギリス的鑒賞一覽

同ソで、ここまでできる。グラフィック 1 人で、ここまで動かしている。元絵もかわいい。そしてなにより、キャラへの愛が見られる。
SLAVE は、どこもしないことをできるサークルだ。という意識を、ユーザに植えつけた衝撃作。同時にそれは、今度はもっとやってのける、次はもっとすごいアニメになるだろうという重責にもなった作品でした。
全体に漂うねっとり感がいい。

待望の続編。都会の間隙のような古アパート、シンプルでどこか野暮ったい制服。今回のヒロイン七海は、実在感があります。どこかですれ違っていそうな彼女と、もしもすれ違ってはいないのだったら……
隠し要素もあって、楽しい。

「気持ちいいんだから、それでいいんじゃない」といってのける彼女の能天気さには、姉との生活が日常なら、それが行為へと変わったのもやはり日常なのかと、思えなくもないでした。背徳感とは無縁ですが、これはこれでもいいのかも。

パッケージを見て期待されることの、だいたいはこたえている。調教と和姦とらぶらぶ甘々をとりまぜており、意欲的。
CG の塗りは、ふだん美麗なのをエロゲで見なれている身には、ものたりなく思うかもしれないが、あの巨乳っぷりはヴォリューム感たっぷり。一部、攻めシーンでいきすぎた表情があるもののの、表情差分はきっちり用意されている。
紫苑みやび嬢が悪女役で出ていて、意外にあたっていてグッド。青川ナガレ嬢の、台本を読み間違えてはダメ感がちょっと気になるが、教師という以前に身近なおねえさんだったという雰囲気があって、よかった。

「成人向け」とはあるけれど、声優陣から見ても、256 色ぽい CG から見ても、SS 版からの Windows 移植版だと思います(以下のレビューは、DL してのものではなく、過去に Windows 版をプレイしてのもの)。だとすると、ノン・アダルトです。
ところどころ、不自然なところがありますが、洋画の吹き替えと見紛うばかりの有名声優が演じているのだし、察しましょう。
連鎖反応のごとく続いていく事件、断続する謎。惹きこまれます。シナリオがすごい、などとはもはやおこがましくて書けません。
要所要所にアニメがはいり、目を惹いてくれます。

みんなで旅行なのでハーレムです(なにが「なので」なのか自分でもよくわかりませんが)。むつみ親子に親子丼などとはいうもおこがましく、米の代わりにマーブルチョコが埋まっているのを想像してしまいました。
もともとおまけ特典だったため、ヴォリュームはそこそこ。が、おっぱいが縦横無尽にならんでいます。

なんといっても、回想モードの使いようのよさだ。クリアした行為が回想モードに登録されたあとは、これを自由に選んで順番を指定して組み立て、リプレイできる。もちろん、行為内容は各種そろっている。
いちおう、年上の彼女という設定だが、えっちをするときにはあまり関係がない。

前作の、イっちゃった状況となぜか対応できている主人公とはいうタイプとは異なり、今回はわりと常識的です。シナリオテンポも、落ち着いています。女の子のもつ困った癖や悩みに、主人公は真摯に対処しようとしています。こういうあたり、ちょっとパンチに欠けます。
が、女の子の脱ぎっぷりは圧巻です。まわりは女の子ばかり。さらにくわえて、女の子と同居。少年誌のラブコメの、あのシーンが、ばっちり続きつきで待っています。

続々とシリーズ化された「尽くしてあげちゃう」シリーズの最初。女の子たちのアピールっぷりには、なんでやねんと突っ込みをいれたくなりますが、これがテンポよい。ぶっ飛んだ女の子の行動のあとに、主人公のフォローがあります。彼女があんなに迫っているのだから、こたえてあげましょう。

意表をつくシナリオ展開。息をつかせない、という表現がぴったりです。この作品あたりからシーズは底力を見せてくれ、エロゲにとっても黄金時代でした。
えっちシーンは、行為もセリフもハードコア。こっちも意表をつかれました。