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本作に限らず音声作品は画像が無いので、上手く情景を思い浮かべられない台本も無いとは言えないと思います。
その点で本作は優秀な部類です。
誰もが体験した事のある診察室で、子供向けに分かり易い言葉を使って問診してくれる医師の態度は郷愁に語りかけ、少し手狭な診察室を半ば自動的に脳内生成してくれます。
そして、個人的に秀逸だと思ったのが「主人公を抱き上げてベッドに運ぶ」シーンです。
成人した大人の女性とはいえ、苦も無く大の男を持ち上げるのだとしたら、かなり体格が良いか介護術のプロくらいしか説明がつかないはずです。
その裏を返せば本作の抱え上げる時の吐息はそこまで力んだ芝居ではなく、重みは表現されているものの、小さい少年を抱っこしていると判断できる適度な力加減が伝わってきます。
その上で、子供扱いした口調で語りかけつつも、下半身には大人向けな処置を施してくれる甘々な音声です。
幸いにも健康だから試していませんが、本当に熱がある時に養生しがら聞くと作中とのシンクロ率が上がって、より癒される気もする作品です。