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13話入りの短編集で内2話は描き下ろしです。
上手く言い表せないんですけど、素晴らしいのです。
語弊を覚悟で評するなら、男女の距離が接近する甘酸っぱさが綺麗な画力で緻密に表現されています。
例えば、表題作でありサンプル1に出ている「潜熱」は学生のカップルが真夏の縁側でイチャイチャする話です。
暑さで疲弊した少年とは裏腹に、少女は酷暑の日なたでも平気そうに汗一つかかない体質で、些細な会話の流れから「本当に汗かいていないのか確かめてみる?」と誘います。
これでガバッと脱がすだけなら平凡なエロ漫画でしょうが、本作は違います。
少年は冗談口に乗って押し倒してみたものの、いざ顔が近づくと一線を越える躊躇いで手が止まり、見かねた少女が自ら彼を引き寄せる、けど告白めいた事を言ってしまった恥ずかしさで顔を赤らめて苦笑いする、ってな感じで青春の淡い感情を一つ一つ丁寧に描写していくため、見ているこっちが恥ずかしくなります。
それゆえにリアリティがあり、問答無用でHに入る作品とは女の子の可愛さが比べ物になりません。
他にも、若い開業医の男に恋をして振り向いてもらおうと頑張る少女とか。
ミステリアスな美人先輩と奇妙な交際を育む少年とか。
店番をするスポーツ少女の秘密を知ってしまった青年とか。
従妹に甘えられるんだけど内に秘めた本心に気づく男とか。
犬を拾った流れで初Hをする事になるカップルとか。
筋肉フェチな美術部少女に迫られる水泳部青年とか。
秘密基地に現れたHな少女に戸惑いつつも受け入れる少年とか。
幼馴染のお姉さんに酔った勢いで押し倒される少年とか。
極度の恥ずかしがり屋の彼女を理解してできる事をする彼氏とか。
現実から逃げてきた少女とその力になった少年とか。
女の子が赤面に至るまでの感情の機微が群を抜いて優れた作品群です。