舉報鑒賞（資料輸入）

このゲームは1回のプレイは1、2時間しかかからないのに、気が付いたら何時間、何日、何ヶ月も遊んでいました。
イベント分岐の条件が綿密で、この作品よりも作りこまれたゲームは、フリーゲームでも商業作品でも見たことがありません。

一言でまとめるとゲームの目的は、立身出世と人間関係構築になります。立身出世ゲーとしてはそれほどボリュームはないけど、「○○と仲良くなって××になる」となると、苦労させられます。次期国王候補として王城で五ヶ月(現実での一年に値する)を過ごしながら、様々な立場や思惑を持つキャラクター達と交流していく育成シミュレーション。攻略可能キャラクターは男女ともにいるので、男性女性どちらのプレイヤーも楽しめる。

独創的な世界観とパラメーターシステムが素晴らしい。人との関係性で愛憎友情多種多様な関係性、エンディングが用意されているというのがとても面白かった。女王であろうと召使いの女の子や、無骨な一介の衛士であろうと、誰もが主役になれて脇役にもなる。システムも使いやすく、周回プレイもストレスなく行えました。物語を上手に進めていくとキャラごとに恋愛　友情　憎悪　殺害　裏切りと大きく5のエンディングが見られます。どちらかというと女性向きのゲームだが、男性も楽しめる一作です。

とにかく細やかな作りこみに感動します。素晴らしいです。キャラクターたち一人一人に用意されたイベントや隠された設定の数々、その多さは一週だけでは見ることは出来ずに、総イベント数の多さに圧倒されるかと思います。そしてそのイベント一つとっても、細かい表現まで練られたセリフ回し、城の人々の何気ない噂話に、1度読んでみただけではその意味まで深く理解できない発言の重さ。城という環境に置かれた人々の人間模様を、言葉一つ一つで掬い取って見せてくれています。