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PS2にて発売された同作の増補版。

その特徴は「百合と伝奇」。全年齢作品でガールズラブをやらかし、会って四日で心中するなど伝説を残しつつ割と真っ当な伝奇作品に仕上げた前作『アカイイト』。後継作として百合好きが楽しみにしていた作品ですが、今作は奮っていません。

前作で控えめだったストーリー上の矛盾や後半の展開の謎さに加えて、前作に輪をかけて意味のない薀蓄語りが増えており、話はそれほど進んでいないにも関わらず冗長、そのくせ、後半はやたらと展開が早いという印象を受けてしまう。

絵は綺麗、音楽もいい。テキストそのものも悪くはない。ボリュームも十分でPS2と比べれば良作に仕上がっている。それでもやはり今作は手放しに褒められない作品だった。

個人的には好きなほうの作品。残念なポイントは多いが全年齢でこの方向性に代わり、このクオリティのものは近年類を見ない。もう復活は望めないが、やはり惜しい。

ちなみにPSアーカイブスにて前作アカイイトが配信されているので興味のある方はそちらもどうぞ。