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「ヒトヅマカリ堕 空白の三ヶ月、執拗な子宮口拡張 難病のわが子の治療費のため極太の肉棒を受け入れ続ける妻」的鑒賞

    • 2015年11月26日
      評論家推薦!
      世の中には手軽な寝取られ作品が割とあって。
      酒の勢いで、脅されて、薬を使われて、などなど。
      そこから発展して、あっさりと快楽に負けて、堕ちてしまう。
      誰にでも股を開く女になって、輪姦を望む。

      別に、それはいいのである。
      言うなればファーストフードと同じであって、これはこれでいい。

      しかし、たまにはしっかりとしたものが読みたい。
      何を使ったところで結果は同じなんだけど、気持ちは違う。
      充実感が違う。
      普段は発泡酒だけど、ためには良いビールを飲みたい。
      これがビールである。

      この作品の一番いいところは、この大富豪のこだわりである。
      大富豪というのは寝取り男のことである。
      この男は若い頃に散々遊びつくした結果、エッチなことに飽きてしまった。
      そこで寝取りの魅力に目覚めたのだが、そんじょそこらの女を堕としても満足できないのだという。
      そこで、金にも権力にも外見にもなびかない女。
      夫と子どもを愛し、家庭を守る貞淑な妻というものを探し続けていたのだ。

      難病の子ども、というファクターは不謹慎といえば不謹慎なのだが。
      この条件を設定する上ではベストなものだと言わざるを得ない。
      どうでもいい動機で抱かれるのであれば、それは貞淑ではない。
      読んでいるこちらとしても、自業自得に思えてしまう。
      それではいけないわけである。

      いかに堕とすか、ではない。いかに堕ちない女を探すか。ここなのである。
      実際、作中でヒロインたる人妻は気丈に振舞っている。
      それは暴力的な言葉を使うだとか、歯向かって見せるということではない。
      大金を借りているのだから、反抗するのはおかしい。
      従いはするけれど、夫の妻であることを辞めない。
      体だけが快楽を受け入れていく。
      言葉にすれば簡単なものを非常に丹念に描いている。

      今作はシリーズ最終だが、これまでの過程を結実させる。
      納得の一本だった。

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