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催眠音声としての作品は多くありますが、バイノーラル技術を上手く活用した作品は少ないのではないでしょうか。

この作品は技術を上手く昇華して取り込んでいるように見えます。上下左右から迫って聞こえてくるように感じる(錯覚する)音声を追っているうちに、視聴者が気付かないうちに催眠状態に入ってしまっている、というギミックがあります。

視覚で糸で繋がれた左右にふれる十円玉を追っているうちに催眠に掛かってしまう、というのと同じ原理なのかもしれません。この場合、聴覚で上下左右にふられるというわけですから、左右のペンデュラムよりも効果的かもしれません。

催眠に掛からないといけない、という感じではなく、自由に取り組める余地を残している点にも好感が持てますね。