舉報鑒賞（資料輸入）

好評を博した『痴漢者トーマス』の続編。
前作は「どことなくバカゲーっぽい痴漢ゲー」だったのに対し、
本作は「痴漢ゲーと見せかけたバカゲー」といえます。予想の斜め上を行く路線変更です。

すぐれたバカゲーには、ぶっ飛んだシナリオをしっかり読ませることが必要です。
したがって(?)、前作からゲームジャンルも変更し、SLGからAVGとなっています。
具体的にいうと、お触りシーンからゲーム要素を排し、かわりに「標的にたどり着くまでの妨害をかいくぐる」というコンセプトのミニゲームを設けています(謎のトンデモ奥義も健在です)。このゲームが意外と面白いのですが、まあ前作のようなやりこみ要素はほぼありません。
さらにストーリーも完全な一本道。エンディングはおろか、攻略順も選べません。1プレイでフルコンプ可能という潔さ。
Hシーンは各キャラごとに、4つ+クリア後のおまけシナリオ1つ。それなりにエロいです。

さて、このゲームのキモはシナリオです。しつこいようですがバカゲーですから。そして、これが実によく作りこまれています。
コミカルでネタ満載、かつ読みやすい文体ながら、痴漢道の凄まじさを核に据えた独特の世界観を確立していて、何度も笑わせてくれます。主人公のキャラがいい。
ストーリーも意外にしっかりしてます。ネタバレになってしまいますので詳しく書きませんが、先代トーマス(前作の主人公)との師弟関係をよく描ききっていると思います。

個人的にはかなり好きなゲーム。バカゲー好きの人には一押し。
あと、前作のファンも、基本的に買って損はないでしょう。