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何があっても、この部を失くす訳にはいかないんだ……!
「……詫びを入れれば…いいんだな……」
どうしてこんな事になってしまったのか。
どうしてここまでしているのか。
「ホラホラ~!そんなカッコで足上げたりしたらこっちから全部見えちゃいますよ~~?」
「…ッ!」
それもこれも、理由なんてたった一つだった。
『この部を、頼むな』
「……く…」
力強く告げる声色を思い出しながら足を開くと、目の前で青田の唇が吊り上がる。
下品で、野蛮で、心底気に入らない表情に目を逸らしても、奴からの命令に逆らう訳にはいかなかった。
「ホラ!もっと良く見えるように腰突き出してくれないと!ねェ!!」
嘲る声にかぶさるように、部室のそこかしこからは低く野太い男たちの微笑が漏れ聞こえてくる。
つい数時間前に試合でぶつかり合った相手校の部員たちに…こんな姿を……。
悔しさにきつく唇を噛みしめ、羞恥に瞼を瞑っても、残酷な現実は終わらない。
次の瞬間に露わな俺の身体に降りかかるのは、更なる非道な命令なのだ。
「さ~て…!んじゃあそろそろ……ご開帳といきましょうか!!」
「…ッ!!」
陽射しのかげりはじめた部室の中心、俺は、とうとう己のプライドを投げ打った。
■めーしょー飯店 明彰によるカラー挿絵6枚収録。