一陣の光さんのレビュー一覧
レビュアーランキング | 7位 | (役に立った数:73件) |
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投稿数ランキング | 22位 | (総レビュー数:328件) |
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2016年08月02日
登場する女性の”瞳”を繊細な描線で描き込む印象がある
”みこくのほまれ”先生の、表題作全八話と読み切り一本、
おまけ一本の10作品が収録された作品集。
印象的な収録作品は、表題作の「必撮!パイパイトーク」。
”女性慣れ”していない純朴な主人公には心の中で、相対
する女性の”胸”とのコミニュケーション出来る”才能”が
あって・・・なストーリー。その”才能”ゆえにカメラマ
ンとして成功し、大成する主人公をコミカルに描いてい
ます。
性格の良い、ナイスバディな女の子キャラに目を奪われ
がちですが、”みこくのほまれ”先生作品で印象的なのは、
何と言っても”瞳”。繊細なタッチで描き込まれた黒目勝
ちな瞳に、その女の子の”本質”が映し出されている様な
印象を持ちました。コミカルで、爽やかな読後感の一冊。
2016年07月31日
和装を繊細な解説で”紐解き”、近代化がはじまる昭和初期
の時代背景から紡ぎ出した、花柳界を舞台とした”ばたこ”
先生・表題作全九話が収められた作品集。
印象的な収録作品は、芸者としてはまだ、駆け出しなヒロ
イン。そんな彼女の仕事に対する”姿勢”が読んでいて伝わ
る・・・「第五話・芸者さんと自尊心」。
主人公とヒロインの”ほのかな想い”も花柳界の”しきたり”
からは逃れられない、そんな儚さ(はかなさ)が丁寧に表現
された一冊。
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2016年07月26日
”日常にある風景”を異なる視点から観察、再解釈して
~パラレルワールド~として提示する”慶優”先生の長
編作品・1巻目。
印象的な収録作品は、懸賞で当選した”人型タバコ”が
手元に到着。用法が分からず、オペレーターの女性に
聞きながら・・・な「シガレット到着」。単なるモノ
でしかない”人型タバコ”にも、紳士的な応対をみせる
主人公が印象的に描かれていました。
着眼点の鋭さと、丁寧にストーリーとして成立させて
ゆくストーリーテラーな”力量”を読んでいて感じまし
た。”慶優”先生が伝えたい世界観がダイレクトに感じ
られる、不思議な読後感の一冊。
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2016年07月23日
華やかな女性を繊細な筆致で描く”小林拓己”先生の長編
作品・三冊目。
印象的な収録作品は、今まで感じることが出来なかった
感性に覚醒し、充実した作品を描きあげることが出来る
様になった”漫画家志望で同級生の女性”。主人公君への
想いを・・・な「第19章:乱れる想い」。
その瞬間に感じる”ときめき”に、素直で正直な主人公君。
そんな彼だからこそ、まわりの女性も惹かれてゆきます。
その場、その場で一杯、イッパイな彼の、優しさが切な
い一冊。
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2016年07月23日
勢いのある、太くて濃い描線で描かれた主人公君や女性と、
コミカルタッチの軽快なストーリーとで、読み手の”頬”を
緩ませる”野澤ゆき子”先生のショートストーリー・一冊目。
印象的な収録作品は、図書館で、書棚の高い所にある本を、
不安定な踏み台を使って取ろうとする女性。その踏み台を
支える”紳士な”主人公君には、別の思惑があって・・・な
「踏み台は支えてこそ意味がある」。寡黙で紳士な主人公
君の、レディファーストかつ、ジェントルな立ち居振る舞
いと、ある意味”男の本能・本性”的部分との、確信的落差
から~緊張と緩和~を生み出し、強烈なインパクトを放ち
ます。サクサク読める、軽快な読み心地が楽しめる一冊。
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2016年07月07日
シンプルな描線で”可愛い”女の子を描く”真里まさとし”
先生と、現実味のあるリアルなストーリーの”北原雅紀”
先生がタックを組んだ、アイドルグループ成長ストーリ
ー。”シャレ”のつもりで送付した”経歴書”からグループ
の一員となり、アイドル活動をする事になった男の子が
主人公の本作。真面目な”彼”は、選考会に参加、候補生
として着実に歩んでゆきます。サクセスストーリーとし
て、爽快な読後感が味わえる一冊。
レビュアーが選んだジャンル
2016年07月02日
懐かしさや郷愁を誘う、ストーリーと絵柄との、揺るぎ
のない世界観が魅力な”あきなお”先生の作品集。
印象的な収録作品は、保育園唯一の男性でみんなに慕わ
れている主人公。”馬乗り”になった園児の下敷きになっ
てしまい・・・な「おねがい園長先生!!」。腰を痛めて
しまった主人公を介抱する”清楚な色香”漂う、女性園長
が印象的な短編でした。
相手に、どう思われているのか不安ゆえ”一歩”が踏み出
せない”男・女の心理”を丁寧に描き込む、その作品作り
は”あきなお”先生の真骨頂。優しい読み心地の一冊。
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シンプルな描線で柔らかく描かれた登場人物が記憶に残る
”竹下けんじろう”先生の長編作品。
印象的な収録作品は、大切に”抱いて”くれて、脱処女でき
た女性。彼の事が忘れられず・・・な「acme.4あけみ」。
対象にした女性の”心のうち”を繊細に捉え、それをほぐし、
大胆に、実直に”口説き”、テクニックというよりも、彼女
を心理的に充足させて”逝かせる”主人公に、読み手も何だ
か”逝かされる”・・・そんな不思議な読後感を味わいまし
た。”竹下けんじろう”先生が描きたい世界観がダイレクト
に伝わる一冊。
レビュアーが選んだジャンル
2016年06月21日
何気ない日常を独自の視点から切り取り、その大切さを
さりげなく表現してくれる”酒井美羽”先生・二つの作品
が収められた作品集。
印象的な収録作品は、母親が突然の入院。食事の準備も
ままならない主人公が助けを求めたのは・・・な表題作
「泣き虫ランチ」。教職にありながら、自分は教師に向
いていないと飼い猫に”癒し”を求める主人公と、彼が勤
務する学校の生徒で自分がシッカリしていなければ、と
奮闘するも空回りするヒロインの”食を通じたつながり”
を描いた作品。
読了して感じたのは、日常生活のささやかな幸せが如何
に大切であるか、ということ。”酒井美羽”先生が読者に
伝えたいことがダイレクトに理解できる一冊。
2016年06月21日
素直に自分の気持ちを伝えることが出来ない男・女を
丁寧なストーリーで表現する”花門初海”先生の短編集。
印象的な収録作品は、ぷにぷにした体形が気になりだ
した主人公。部下であるヒロインに、ダイエット管理
をしてもらったら・・・な「ぽっちゃり男子」。
幼馴染や、社内での人間関係から、ほのかな”想い”が
あっても伝えていなかった”感情”を、些細なきっかけ
から相手に届ける展開は”花門初海”先生ならでは。爽
やかな読後感が楽しめる一冊。