一陣の光さんのレビュー一覧

募る想いからほとばしり出た『告白』を経て
お付き合いをスタートさせた”信子”と”入江”
のふたり・・・な、”田村茜”先生・表題作の
第21話～第26話までを収録した、五巻目。
印象に残った収録作品は、思い切って、花火
大会に”入江”を誘う”信子”な「第25話」。初
々しいふたりが堪能できる、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、誠実に、真正
面から向き合う”信子”と”入江”の姿。ケレン
味のない穏やかな展開が、刺激的すぎる、他
の恋愛作品とは一線を画す、本作の個性とな
っている、と、読んでいて感じました。良作。

素の自分と、相手から見た自分との葛藤を
経て、その内面から、少しづつ変わってゆ
く”忍野まこと”・・・な、”玉姫なお”先生
表題作・15話～21話と番外編二本を収録
した、三巻目。
印象に残った収録作品は、いまいち、溶け
込むことが出来なかったクラスメート女子
に恋バナをし始める”忍野まこと”・・・な、
「16話」。
読んでいて感じたのは、男性主人公”山田”
への感情に戸惑いながらも、正面から向き
合う”忍野まこと”の姿。年上ながら、相手
を気遣う余裕などなく、女性慣れしていな
い”山田”との関係を、確かなものにしてゆ
く”まこと”の頑張りを応援したくなります。

陸上への情熱を象徴する、鍛え上げられた
腹筋と、女性を象徴する巨乳との、せめぎ
合いが見どころ・・・な、”活火秀人”先生
表題作・第23走～第29走を収録した、四
巻目。
印象に残った収録作品は、金田コーチの熱
血指導を得て、その走りに磨きのかかった
”美咲”を身近で見ていた”南條”が、ついに
”美咲”を100Mのエースと認める・・・な、
「第24走 モヤモヤ・ストレッチ」。
読んでいて感じたのは、男性主人公”金田”
が、個々の選手にある問題点をキッチリと
把握し、適切に指導する面と、たくさんの
女性に囲まれた環境に居ながら、女性慣れ
してゆかない堅物な面との二面性。意外に
も、ここが本作の『キモ』の様な気がしま
した。バチバチ火花散る、ライバルとの闘
い。”活火秀人”先生、表題作の四巻目です。

相手のことを大切に想うあまり、言葉にでき
ないわだかまりを、想うがままに相手へ伝え
るふたり・・・な、”御影石材”先生、表題作
第45話～第55話(最終話)を収録した、五巻
目・最終巻。
印象に残った収録作品は、胸につかえていた
わだかまりを相手へ伝える”美玲”と”雪菜”の
二人・・・な、第55話「白雪姫と黒タイツ」。
読んでいて感じたのは、黒タイツをきっかけ
に友情を育んできた二人が、相手を大切に想
うがあまり、言えなかったことを伝え、更に
互いの関係が強固になってゆく様子をキッチ
リと描きこんでいた点。”雪菜”に翻弄される、
”美玲”と読み手・・・という構図が、新鮮な
読み心地を提供してくれました。それゆえに
少し残念な”御影石材”先生の表題作・五巻目。

ヒロインと男性主人公との、まぶしいほどの
純粋な想いが、ほんわかした読後感を読み手
に残す”うるひこ”先生、表題作・1話～8話と
あとがき、が収録された、作品集。
印象に残った収録作品は、毎週水曜日、お店
へやって来る美人に『一目惚れ』した、男性
主人公”夏海”。彼女に声を掛けたら・・・な、
「2話」。美人な”あおい”とのコミニケション
を深めてゆくにしたがって、十六歳年下な事
を実感する”夏海”と、彼の優しさに、想いを
深めてゆく”あおい”を、詳細に描いた描いた
お話でした。
読んでいて印象的だったのは、ヒロインのキ
ャラクターデザイン。大人びた表情と、年齢
相当な幼さを、併せ持つ”あおい”を、繊細な
描線で描いていて、記憶に残りました。良作。

獣人の娘”ヴィールカ”の窮地を救った、サラ
リーマン”シゲオ”の手料理に、胃袋をガッツ
リつかまれる彼女・・・・を描いた”由”先生、
表題作・一巻目。
印象に残った収録作品は、作品の世界観が凝
縮されている「vsカレーライス」。
読んでいて印象的だったのは、いきなり始ま
り、読み進むうちに、詳細な説明が入ってく
る、その構成・進行の魅力。手際よく提供さ
れる”シゲオ”の手料理を、何とも美味そうに
口へ運ぶ”ヴィールカ”の、魅力炸裂な一巻目。

周囲のキャラが良く動くので、メインの”マリア”
”祐介”が少し可哀想な”ほっぺげ”先生、表題作の
五巻目。
巻末に”ほっぺげ”先生が、謙遜がちに仰っていま
したが、本作品も五巻目。周囲のキャラが立って
いるので、それだけでも楽しく読めるのでは、あ
りますが、やはり、”まりあ”と”祐介”の、まるで
介護されているかの様な掛け合いも見たいな、と
感じました。老舗の味わいを醸し出してる五巻目。

巻数を重ねるたびに、そのクズっぷりへ磨きが
かかる”山田みのり”がある意味、”小恋”よりも
ヒロインなのでは・・・と、思うようになった
”柚木涼太”先生、表題作・第15話～第19話に、
五本の番外編を加えた、三巻目。
印象に残った収録作品は、むかしのオンナ?な
”愛花”が”小恋”と”山田みのり”の前に・・・な、
「第15話」。”愛花”の現在の年齢を聞き、とた
んに興味を失う”山田みのり”に苦笑する、お話
でした。
読んでいて印象的だったのは、そのクズっぷり
に磨きがかかる”山田みのり”の姿。この作品の
真のヒロインは、もはや、彼女なのではと内心
感じつつも、”小恋”の無邪気な表情にやっぱり
癒されてしまう”柚木涼太”先生、堂々の三巻目。

女性上司・四人、それぞれのキャラが立って
いて魅力的な”ひみつ”先生、表題作・第1話～
第10話までを収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、四人の女性の個性
が良く理解できる「第9話・じょうしの湯」。
読んでいて印象的だったのは、新入社員であ
る”三田新一”の人間観察眼。相手のことを本
当に良く観察しているのが凄いです。それと、
四人の女性上司、業務部主任の”三ノ宮琴子”
の人知れない悩みとか、豪放磊落で大雑把に
みえる”花隈こまち”の繊細な内面とか、キャ
ラの創りこみが、丁寧になされていて印象に
残りました。”ひみつ”先生・表題作の一巻目。

祝言当日に初めて会った、新婚夫婦の何気ない
日常を繊細に描いた”崎由けぇき”先生、表題作
其ノ一～其ノ十五迄を収録した、一巻目。
印象に残った収録作品は、前夜からの雪が積も
り、その景色を愛おしむ”藤棚遥”と”藤棚きぬ”
の二人・・・な、「其ノ七」。抒情的な進行が
記憶に残る、お話でした。
読んでいて感じたのは、今までない、本作独自
の世界観と読み心地。”崎由けぇき”先生の着眼
点の良さを読み終えて強く、感じました。良作。