一陣の光さんのレビュー一覧

ふんわり優しい作品内の空気感が、読者へ郷愁を
誘う”アサミ・マート”先生、幻のプロトタイプで
本作品の初出作品「ネコとコロッケ」と、番外編、
表題作・第二十五話から第三十話までを収録した
四巻目。
印象的な収録作品は、ほのかな苦みが効いた、プ
ロトタイプ「ネコとコロッケ」。
読んでいて印象的だったのは、ほのぼのとした読
み心地の本編とは少し異なる、プロトタイプ作品
の読後感。引き締まった作品内の空気感が、これ
はこれでアリかな、と感じました。
”ヤイさん”の魅力が、濃厚に堪能できる、四巻目。

作品内を流れる、芳醇な時間が読者に郷愁を感じ
させる”アサミ・マート”先生、描き下ろし二本と、
表題作・第十八話から第二十四話までを収録した、
三巻目。
印象的な収録作品は、”ダンナさん”の妹”サエコ”
に連れられ、デパートへとお出掛けな”ヤイさん”
を描いた「第十八話・おでかけ」。
読んでいて感じたのは、”ヤイさん”の出生の秘密
を描いたことで、彼女の人となり、が、より深く
理解できた点。登場人物の厚みが増した、三巻目。

日々の生活での出会いや出来事を独自の視点から
紡ぎだす”アサミ・マート”先生の描き下ろし一本
と、表題作・第十一話～第十七話までを収録した、
二巻目。
印象的な収録作品は、”ダンナさん”と呼ばれてい
る”柴谷広一(シバタニコーイチ)”の小説を愛読し
ている”セツコ”。実は、知らないうちに、彼女が
本人との出会いを果たしていることを丁寧に描い
た「第十二話・夕ぐれに・・・」。
読んでいて印象的だったのは、”ダンナさん”とヒ
ロイン”ヤイさん”との、ごく、限られた世界観の
様に見えて、意外に広がりを持った世界観をもっ
て描かれている、と感じさせてくれた点。太い描
線で描かれた、独自の空気感が堪能できる、一冊。

独特な世界観と空気感が、他にない読み心地を読者
に提供している”アサミ・マート”先生、表題作・第
一話～第十話までが収められた、一巻目。
印象的な収録作品は、”ダンナさん”と”ヤイさん”の
出会いを描いた「第九話・思い出」。
読んでいて感じたのは、猫の目の様に、クルクル変
わる表情と、和服・割烹着(かっぽうぎ)姿が新鮮な
印象を与える”ヤイさん”。ほのかな恋愛感情を忍ば
せつつも、相手の事を、とても大切に想っている二
人を、巧みに描き込んでいました。
他にない読後感が味わえる、唯一無二な作風の一冊。

前巻で初登場の”矢野口章太”に続き、”矢野口愛”が
登場する、”ほっぺげ”先生の表題作・三巻目。
読んでいて印象的だったのは、濃さにおいて”中原”
ファミリーに引けを取らない、”稲田つつみ”という
芸名で芸能活動している長姉・”矢野口愛”と、次姉
・”矢野口瑠衣”、末弟”矢野口章太”の”矢野口”ファ
ミリー。多彩な登場人物がストーリーに深みを加え
ている印象を持ちました。
自由人な長姉達が強力なインパクトを放つ、三巻目。

”中原まりあ”のクラスメート女子がストーリーに
絡んで来ることで、豊かになった展開が楽しめる
”ほっぺげ”先生、表題作・二巻目。
読んでいて印象的だったのは、クラスメート女子
の”矢野口瑠衣・章太”姉弟、”新城麻帆”等、展開
に参加することで、ストーリーに厚みが増した点。
特に、”矢野口瑠衣”は、”祐介”や”まりあ”との間
柄を取り持つ、結構、重要な役どころになってい
る、と感じました。作品内の、ゆっくりした時間
の流れが、読んでいて心地よい、表題作・二巻目。

シッカリしていそうにみえて、肝心なところが
欠落してる姉”えりか”・兄”祐介”・妹”まりあ”
の三人を、キャラ濃く描く”ほっぺげ”先生、表
題作・一巻目。
読んでいて印象的だったのは、本巻を読み終え
ると、なにゆえ”まりあ”が”祐介”兄さんの口を
開けさせて、歯磨きに勤しむのか、がよくわか
ります。中原家を切り盛りしているのは、実は
”まりあ”なのです。学校でみせる完璧超人ぶり
と、兄”祐介”へ接している時、とのギャップが
本作品最大の見どころだと感じました。中盤か
ら登場する、姉”えりか”が最終兵器だった一冊。

クールビューティなOLと、同僚やお客
との、コミカルなやり取りが印象的な
”唐草ミチル”先生、四コマ・スタイル
のwork.1~16と、スピンオフ・番外編
「高清水ミサの妄想小説」を収録した、
表題作・一巻目。
印象的な収録作品は、大卒・新入行員
”柵木音々子(ませきねねこ)”の、緊張
感が伝わる、初勤務を描く「work.2」。
読んでいて感じたのは、完璧主義かつ、
クールビューティなOLの”東雲銀子”が、
時折見せる人間味。無表情に見えます
が、けっして、冷徹ではないところが、
魅力的に描き込まれていました。
銀行の日常業務を、細かく描いた一冊。

モブキャラが、イイ味出していて、読者へと深く静
かに攻めてくる、”藤田里奈”先生の表題作・一巻目。
印象的な収録作品は、全校生徒が講堂で、校歌斉唱
・・・な「一ネタでわかる学校紹介」。
読んでいて感じたのは、正面切って、振りかぶって
くる様なギャグというよりは、小ワザを効かせ、深
く静かに攻めてくるギャグが堪能できる点。前述し
た「一ネタ～」の様に、静かに深く、効いてきます。
冷静で至極、真っ当なキャラと、ぶっ飛んだキャラ
とが、四コマというフィールドで、せめぎ合う一冊。

思わせぶりな言動や行動とは真逆な、天然で純真な
ヒロインが、如何にも”後藤羽矢子”先生ならではな
世界観を放つ、表題作・第一話～第十七話までを収
録した、一巻目。
印象的な収録作品は、持ち物検査をすることになり、
あんまりヤバイものは卒業まで預かっておく、と聞
いて動揺する”江口チカ”・・・な「第十七話」。
読んでいて感じたのは、誤解されてしまうヒロイン
のキャラクター設定の妙。発言する本人と、それを
聞いた周りの人との解釈の相違が、見事にギャグと
して効いている点は”後藤羽矢子”先生ならでは、な、
世界観を強く感じさせてくれました。誤解にもめげ
ずに、発言・表現を続けるヒロインが印象的な一冊。