nicksonさんのレビュー一覧
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いちおし作品
「這い寄り」システムは、端的には「狩り」の体験と言えるでしょう。
目を付けた少女(獲物)を狩り、手籠めにするにはどうすればよいか。目を付けたきっかけは「少女が近くを通った」とか「可愛い」とか態様は様々ですが、そのような偶々の動機だけでは狩りは継続できません。
対象のあと(後・跡)を追い、相手をよく観察して行動や思考のパターンを分析・把握するだけでなく、相手と同じ感情や思考方法で考え、時には相手の幸せを切に願ってみたりします。
そうしておきながら、他方では対象に合わせた戦略を立て、実行し、対象についての仮説や認識が誤っていれば即座に修正し、必要であれば一時的に撤退さえします。
このように、「狩り」とは一見ケモノ的な行動のようでありながら、その実は複層的な認識と思考を必要とする、実に人間的な、複雑繊細な精神のなせる行為なのです。なんか、ロリコンの自己弁護みたいですけど。
本作の「這い寄り」システムは、上記のような「狩り」をカードゲームのようなやり方で体感できる手ごたえのあるシステムです。
主人公である祟り神は「振り向いた際に精神を侵食する」等の技を多数持っており、少女個々に合わせて、技5つを選ぶ(デッキを作る)必要があります。少女に襲い掛かる「這い寄り」一回につき一つのデッキしか使えませんので、少女ごとに戦略が必要となります。
この「技」は物語を進めたり他の技のレベリングをしたりすることで手に入っていきますが、今の手持ちの技のコンボだけで対象を攻略できるか考え、その計画にうまく相手がハマったときの達成感が堪えられません。
ごり押しで攻略できる場面もありますが、やはり自分で思考し相手一人一人を凌駕して狩ってこその、真の凌辱・蹂躙でしょう。
シナリオや文章・音楽・イラスト・UIその他についても、構成がよく練られておりプレイヤーをうまく世界観に没入させるつくりです。
久々にいいゲームに当たりました。
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最近、いろいろなものを愛ですぎてどれが良いのかわかんなくなっちゃってきました。そういう人って多いんじゃないでしょうか。
これよりももっと直接的で過激なものが見たい方はgoogle先生に聞けばすぐに見つかります。ですが、僕は20代も後半になってきて、どういったものが本当によいものなのかわからなくなってきたのです。言うならば、本当に僕が必要だったものは、直接的な、それそのものの表現ではないのです。『風姿花伝』にも「秘すれば花」とあります。描かれないことによって現されるものもあると考えるべきでしょう。
ま、何が言いたいかというと、たくし上げ+黒ストがこんなにもいいものだとは思わなかったということです。たまには全年齢向け作品で頑張ってみるのもいいことではないでしょうか。