少女ゲーということを度外視しても優れたSLGである本作。遮蔽と索敵の重要性。正面・側面・背面の概念を揃えたマップ式のSLGは非常に稀有なので、これだけでもウリになるが優れたゲームバランスも兼ね備えている。
再序盤はゴリ押しだけでも何とかなっていたのが、ストーリーが進むにつれて複数の兵科を使わないと難しくなっていく。そして中盤以降は全ての兵科の特徴を知っていなければ間違いなくクリア不可能。かと言ってシステムが複雑かといえば決してそんなことはない。充実したチュートリアルで、SLGの知識がゼロであってもストーリーの序盤が終わる頃には自然に身に付いているはず。
それでもクリアできないステージが出てくるかも知れない。そういう時は難易度を下げれば誰でもクリアできる難易度に。もちろんやりこみ派が満足できるような高難易度に変更することも可能。あらゆるユーザーが満足できるバランス調整は流石の一言。
また、多くのゲームでは数だけは大量にあっても実際に使われる兵科は限られ、せっかくの兵器の多くが空気と化してしまうゲームが多い中、本作はただの1つも空気になる兵科が存在しない。
純粋なSLGとしても楽しめ、それでいてCG・Hシーンの実用性も十分。登場キャラクターも様々な声優の方々演技も非常に上質。2000年頃であればフルプライスで売られていてもおかしくない事は保証できる。第二次大戦と少女ゲーの双方に興味があるのであれば、買って後悔することはないだろう。