葉桜さんのレビュー一覧
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投稿数ランキング | - | (総レビュー数:3件) |
2007年10月09日
ストーリー、実用性などよりも、特筆すべきなのはその心理描写の卓説さ、と思っています。前者も十分に及第点の出来ですが、被害者となってしまった主人公の女の子の心理描写のレベルが非常に高いです。
傷心、動揺、後悔……入り混じった感情が、綿密に表現されています。ストーリーとしても陵辱シーンの質、量ともに十分に満足できます。
値段も考慮すれば、買って得をすることはあっても損をするということはないと思います。
2007年09月21日
絵柄のレベル、進む速度、実用性、すべて1260円という値段を考えれば十分だと思います。
サクサク進み、絵柄も大きく崩れることもない。六人の女性が登場しますが、皆、差別化されていていい感じです。手軽さという点も含めて評価すれば、かなりの良作だと思います。
2007年08月16日
物語の質自体は非常にいいと思います。民俗学とオカルトという要素がうまく使えていますし、特に民俗学に関しては考察が非常に深いです。しかも薀蓄を延々と資料という形で語りつつも、きちんと必要な結論だけを一言でまとめてもあり、読むのが苦痛ということもありませんでした。
登場人物も主人公を含めて五人、という点で無駄がありません。全員の心理描写も無理がなく、一人ひとりの行動にも疑問を抱くことなくすんなりと受け入れられます。
文章も明るい場面は楽しく、不気味な場面は恐ろしく(普通に怖かったですw)、とメリハリがあって、読んでいて引き込まれました(連続で同一人物の台詞を置いたりするのは少し違和感ありましたし、表現も標準という感じではありましたが)。
ただ主人公の心理状態がきちんと考え抜かれているせいなのか、物語の途中にある選択肢はどれを選んでも、主人公がその後に取る行動に変化があまりないです。攻略ルートの変更のためにある選択肢、って感じだと思います。
それに登場する四人の女性の中で攻略できるのは二人だけ、という点も……まあ、物語の内容からして、それが自然だとは思うんですけどね。もうちょっとエンディングの数や選択肢の物語への影響を持たせてほしかったかも。
無駄がなく、綺麗な物語。伝奇物としても完成しているけど、ゲーム性はちょっと……という感じです。
ただ、トルゥーエンドは泣けますw 数多ある「綺麗な物語」を好む人には、とてもお薦めできる作品だと思います。