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まずアップデートファイルを忘れずに。
本作は2グループをそれぞれ主役とした群像劇ですが、オムニバスとかザッピング視点でシナリオを増やしたようにみせるレベルではありません。
ドラマとドキュメント、世界観だけは同一の異なるゲームが同梱されてるような感覚です。
体験版で大体見える日常、次に揺らいでいく平穏、別主人公から見る彼らの姿、最後に…。
起承転結、4つ以上の段階からなりますが、じわじわと何かが迫る2章、別のゲームかと思う3章、内側と外側、視点が替わることで全く別のものに見えてくるこの辺りは、ミステリーたる本作の真骨頂でしょうか。
ことの真相については、後から明かす部分もあって実質プレイヤー独力の推理は不可能に近いきもしますが、説明がとても分かりやすいことと、見えない部分は想像しろとか別テキストで設定読めみたいな投げもなく、しっかりとストーリーにまとめてきますのでご安心を。プレイすれば謎は全て分かります。
とにかくどんどん話が裏返っていくので、感想はもうたっぷりあるのですが、皆さんにこれからやってもらいたいので何もいえねぇ。ですが体験版の空気を気に入れば、きっと予想と期待を見事に超えてくるでしょう。
全体に線の丸いルックと棒気味の声も相俟って弱々しげな主人公の妹が辿り着く先と、あるキャラクターがとてもとてもカッコいいこと、そこは是非見ていただきたいと言っておきます。
一応、陵辱好きな方も苦手な方も、プレイヤーが楽しむ陵辱はあんまりないと思います。
なので、苦手だけどテキストに耽溺したいひとなら是非お勧めですし、陵辱スキップも問題ないです。
一方、激しい陵辱を楽しみたい方は…そう解釈できる場面は結構あるので、キャラ重視でギャップに興奮ならありでしょうが、寝取られメインものの量を期待すると違うかもしれません。
本作を知ったあなたはきっと良い拾い物をしたと思うはずです。
まず本作のアニメ版は全くの別物であり、なんら参考にならない。
絵や話はもとより、キャラクターの性格や年齢、設定まで違ってて、似てるのはもう名前と髪型くらいだ。
アニメ自体は異彩を放っており、とりわけ下巻のパッケージは強烈で、あれはあれで面白かった。
ただ、アニメの印象で原作も暴力的だと長年思っていたが、まぁ全然関係なかった。
ようやく本題だが、まずキャラクターがいい。
ひたすらにけなげで真っ直ぐなつむぎと、屈折し闇に染まっていく雪乃が絶妙な対比になって引き立てあう。
男性陣も、ただの敵役かと思いきや、むしろどんなに堕ちても鮎川を忘れない雪乃を追い続ける姫神のほうが寝取られてるようで肩入れしてしまう。
鮎川と犬山、姫神と雪乃、どちらも間違いで近づいた二人が次第に相手自身と向き合う展開は実は恋愛物の王道ですらある。
純愛と性欲が交じり合い、たった4人だけの物語で十分に面白いのだ。
シナリオもほぼ一本道なのだが、画面表示まで変えて(犬山が特にかわいい)四者四様に語ることで疑問が解け、期待が満たされるので作業感はない。
テキストも平易で、ときどきやり過ぎなくらい削いでいくので、かなりテンポよく進める。
システムは時代相応だが、クイックや回想記録などゲーム性に準じたものはあるので露骨な不便はないだろう。
総じて、必要なものが必要な分揃っている印象だ。
ただ、値段相応なのだろうがシナリオのボリュームはもっと欲しかった。ヒロイン視点、特に雪乃は真の主役といってもいいのに、量はおまけ扱いなのが歯痒い。
エンディングのパターンも16種類といえば多そうだが、よく考えるとどちらが勝つかと、誰と付き合うかで実質4~5つのような。全員が幸せに納まるような未来はなかったのか。
とまぁ、プレイ後も各々の在り様に思いを馳せるとこまで楽しめます。正直、自分にとってかなり好きなタイトルになりました。
上手い!だからエロい!総じて面白い!
本作は本当によく洗練されたシチュエーションコメディです。
ジャンルの特性を理解し、3Dものでありがちな簡素な部屋を、ヒロインの残念さを強調させる映画的構成。
そこから延々と繰り広げる芝居は、もう何度笑ったか。細部まで本当に語れるので、誰に望まれなくとも全編コメンタリーしたい。
余計なディテール偏重なんてことも全然なく!可愛いと思ってた子が部屋に来て、性格も面白いし、益々好きになったら超エロ好きとか最高かよ!っていうのが、自然に見れる。そして、観客の心にも微かに魔法を残すように、そっと幕を閉じる。
立派なアニメです。魔法少女オリハルコンにまた会いたいぞーっ!
2019年01月12日
2018年05月13日
2018年03月28日
寝取られゲーと銘打っても、不利な選択肢を敢えて踏むんだから実質は寝取らせ…
彼女が浮気Hに夢中になったら、それもう本命カップルってことで他人の女だよね…
俺の女が!俺の力及ばずに奪われてほしい!
という、お膳立てされたNTRには満足できない残念なあなたにこそお勧めします
本作は敵が強いので、敢えて不利な選択を踏んでる余裕なんかありません
最後の一線を超えられる前にゴールが条件なので、彼女がHされる=敗北が近づくという状況から
「ちくしょー!また犯られたぁ!だが絶対に助ける!」
という、まさに寝取られ主人公=俺、という気持ちです
彼女のほうもちゃんと主人公に気持ちがぶれないまま、Hにハマッていくので「もう間男と付き合えばよくね?解決」みたいにやってて萎えたりはしません
所々で交わされるちょっとした会話が、すごく愛嬌があるんですね
彼女自身は付き合いで彼氏の部にいるって体だけど、元々彼らに壁を作ったりはしてないってちゃんと分かる
そういういい娘だから、間男たちも彼女の人格を無視してレイプするような悪意は全然ない
でも調子に乗っちゃう程よい童貞感もあって、皆に愛着が沸いてきますね
この素晴らしいボンクラどもと気風のいい一途な彼女の、どスケベハプニングがどこまでいってしまうのか!?
さぁ、あなたも存分に悔しがって頑張って彼女を守ってください
点数計算をしながらゴールを目指すところが、ドラマ化もされた漫画ラ○アーゲームのようだと思ったり。
点数のバランスを保つという、競り合いとは異なる緊迫感があります。
こういった閉鎖劇の場合、少数の善人がいがみ合う全体に立ち向かう、的な展開が定石。
ですが本作では早々にルールを理解し、全員が助かるため一見穏やかにゲームが始まります。
が、暴力が支配する状況で、頑なに人間らしく振舞おうとすることも、実は暴力的である。
一部のものが最低限の和を保ちつつ、我利に走ったらその者を処分するのでなく、良心を持つものがひたすら犠牲になるからだ。本作の白眉はまさにここです。
倫理の限界の選択を一応提示しつつ、あなたの人間らしさを守るため、しばし耐えてほしいという限りなく強制に近い合意を促す、正しさが個人を踏みにじる事態。
さらにエロゲーマーの代弁者のような男が言葉の暴力で追い討ちをかける、セカンドレイプにまで晒される屈辱。
しかし意外なことに、性を正義の代償として扱われる暴力が常態化していくと、偽りの倫理観ではない、本物の人間らしさとは何かが見えてきます。
何度も望まぬ男に抱かれることを選ぶヒロインの気高さに打たれ、愛することこそが死という暴力にすら、心が打ち勝つ唯一の拠り所だと思い至りました。
以上のように、物語については非常に真摯であり、葛藤や思索、純愛の尊さを表現するとき、実はNTRという倒錯したジャンルこそ長けているのではないでしょうか。
演出もなかなか凝っており、ヒロインと間男がわざわざ別室に移る、暫くして二人が出てくると「こいつらさっきまでHしてた…」という気まずさが味わえます。別視点ありを選択すればHシーンも見れますが、正直なしのほうが興奮しました。
設定周りは不足否めず、ぜひ見たかったプレイもあるけど、しかし過小評価された秀作だと思います。いいNTRありますよ。
2017年08月22日
ストーリーは全7章仕立て。ちょっとしたアニメシリーズを思わせる構成で、ヒロインの誕生から、それぞれにスポットを当てた単発の攻防がしばらく続き、強敵と新キャラの登場から最終決戦に向かっていく。
世界観の設定、それぞれの性格や特徴、アクションの充実がともなえばこそ、堕ちるヒロインに昂ぶります。
ボリュームは短いものの、同系の作品がおざなりにしがちな物語の土台を丁寧に固めているため、読後は「いいもの見たなぁ」という気持ちに。
例えば3000円クラスの、もっと充実したパッケージでも欲しいと思える内容でした。
主人公とヒロインの関係を設定したうえで展開していくので、2次創作でありつつ、オリジナル作品のような自然さがあります。
徐々に性欲が肥大化していく過程が妙に犯罪的なリアリティで、読んでいると背徳感と読み進めたい衝動が交錯します。
序盤の盗撮が後半の陵辱に劣らず興奮させますし、事後の経過なども行き過ぎない所が却って現実らしくて、この雰囲気だけで楽しめます。
妙な計画性と勢いに任せた行動力を併せた身勝手な台詞を連発する主人公のキャラ立てがしっかりしているのが最大の魅力かもしれません。
スカ描写も僅かですし、ハード過ぎない描写なので、残酷系が苦手な方でも大丈夫だと思います。
値段は些かしますが、相応以上の楽しみを得られたと思います。