一陣の光さんのレビュー一覧

あとがきに、本巻・未収録二作品と本巻・収録の短篇
八作品の十本程しか描いていない、と、書かれていて
そのことに驚きを禁じ得ない”大空若葉”先生、自身初
の単行本。
印象に残った収録作品は、男子主人公の”拓ちゃん”と
ヒロイン”藤本優香”は幼馴染。親の都合で突然、海外
に転居した”優ちゃん”と数年ぶりに再会して・・・な、
短篇「約束」。髪が金髪になり、派手な印象になった
”優ちゃん”をみて卑屈になった”拓ちゃん”が彼女を襲
い、彼女の処女を奪ったことで二人の距離が近くなる、
お話でした。
読んでいて印象的だったのは、絵柄の安定感・完成度
や作劇・構成の高さ。僅か、十本の作品数でこの境地
に到達していること自体に驚愕。あとは、”大空若葉”
先生の個性や『色』みたいなものが確立されれば大化
けする作家さんになるのでは、と、その作品を追って
みたくなりました。完成度の高さが驚愕の一冊。良作。

ヒロインが身に着けているパンティの、生地の素材感や
クロッチの質感を熱量とこだわりをもって繊細に描き込
む”おかゆさん”先生、comicアンスリウムに掲載された
長篇作品の番外編二作品、前・中・後編構成の一作品に
二話構成の二作品、短篇四作品を納めた、自身三冊目の
単行本。
印象に残った収録作品は、卒業式の日にヒロイン”真菜”
から告白された男子主人公”浩介”。が、その時は彼女の
想いを受け入れず、三年後、就活中の”浩介”が、やはり
就活中の”真菜”と図らずも再開して・・・・・な、短篇
「就活中に同級生と出会ったら」。互いの身体的特徴が
想いを再点火させる、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、竿役を多人数投入し肉弾
戦となる展開やラブラブな初体験ストーリーをバランス
良く配分している”おかゆさん”先生のセンス。一冊の単
行本としてのバランス感覚は称賛しても良いと思います。
読み心地や読後感も配慮された満足感の高い一冊。良作。

筆致がバージョンアップされ、より一層”kakao”先生
の個性・作風が濃厚となった”comic快楽天ビースト”
へ掲載された短篇十作品が納められた、自身四冊目の
単行本。
印象に残った収録作品は、男子主人公”庄司”。告白す
るも、あえなく撃沈。意気消沈する彼に声を掛けてき
たのは幼なじみのヒロイン”浦下水希”・・・な、巻頭
カラーの短篇「メルティギャル」。派手なルックスと
は裏腹に”庄司”を励ます為、処女を捧げる”水希”が可
愛い、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、ヒロインへ密度の濃い
性格付けをする”kakao”先生の巧みな構成能力。他の
作家さんでは見受けられない、ヒロインへの個性付け
が各短篇へ独自の色彩を与えているように読んでいて
感じました。
処女のヒロインを、魅力たっぷりに描いた一冊。良作。

目元涼やかでクールなヒロインがデレる時・・・、
”真白しらこ”先生の短篇。
ヒロインで、部活の先輩”中川早苗”に告白するも
振られ続け、めげずに告白し続け、晴れて恋人同
士となった男子主人公”小西君”。が、二人きりに
なっても関係が深くならないので・・・な、スト
ーリー。
読んでいて印象的だったのは、切迫した空気感を
絵柄から感じさせる、初体験を丁寧に描写してい
るところ。クールなヒロインがデレる短篇でした。

少年誌に掲載されていても違和感のない清潔感のある
絵柄と、ヒロインの内に秘めた想いとのマッチングが
心地よい”スナメリ”先生の短篇。
学内の自治会で、会長を勤めるヒロイン”向坂”さんは、
共に活動している男子主人公”烏島”と、お付き合いし
ているのだが、なかなか深くならない関係に・・・な、
ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、展開・進行と絵柄との
マッチングの良さ。爽やかな読み心地の短篇作品です。

”DISTANCE”先生の短篇が掲載されていることを知って購読に至りました。印象に残った収録短篇は、体格差のあるカップルが交わったら・・・”栗原ケンシロウ”先生、無垢な幼馴染の女の子に告白のキス・・・”YU”先生、陰キャな男子主人公をずっと想い続けていた幼なじみのヒロイン・・・”ひなづか涼”先生、そして王道なカテキョと教え子女子・・・”DISTACE”先生などなど、時間をかけて読み込みたい”comic E×E #23”。

本誌と連動したヒロインが表紙を飾る”kakao”先生の仕事ができる男性上司に憧れる部下の処女OL、男性会社員の社畜人生を潤す”山芋とろろ”先生、時を超えての官能劇・序章・・・”雛咲葉”先生、幼馴染女子のくじ運が強い理由は・・・”亀吉いちこ”先生等々、充実の作家陣ラインナップ。特に、時代の流れをキャッチアップし、柔軟な作風と絵柄が魅力のレジェンド”Cuvie”先生の短篇が良かったです。

初デート・初えっちというオーソドックスなシナリオ
へ”ぐりえるも”先生の個性を染み込ませた展開が、独
自色を放つ”comic X-EROS”、”comicはぴにんぐ”へ
掲載された短篇・九作品、デジタル特装版のみに納め
られた「本巻発売記念・ショート劇場」二本と、本巻
描き下ろしの短篇一作品を収録した、ワニマガジン社
からは初の、自身二冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、”彩奈”と”公哉”は恋人同士。
時系列が別な、初デートと初えっちを同時進行的に見
せる短篇「初デートの君と、初エッチの君と」。作品
内の時間軸管理がキッチリなされていて、読みやすい
構成となっているのが”ぐりえるも”先生らしい、お話
でした。
読んでいて印象的だったのは、オーソドックスな青春
セックスストーリーなのに”ぐりえるも”先生のテイス
トが入ると新鮮な読み心地となる点。特に、収録の短
篇「男女ペアでやろう!全裸組体操ガイドブック」は、
他の作家では描くことの出来ない世界観が広がってい
て、楽しめました。
日常と非日常の境目を、とことん追求した一冊。良作。

『好き』という感情を抱くと、自分のすべてを懸けて
相手に尽くそうとするヒロインを、少しコミカルに描
いた”しのずかあつと”先生、COMIC HOTMILKに掲載
された、四話構成の一作品と二話構成の一作品、短篇
三作品を収録した、単行本。
印象に残った収録作品は、男子主人公”辻貴之”は、あ
なたの体臭が好き、と、情熱的な告白をされて付き合
うことになった財閥のお嬢様”梅ヶ丘薫子”が、もっと
彼女好みの体臭を持つ、別の男性が現れたら、と、不
安になり、彼女に尋ねたら・・・・・な、四話構成の
「すきのかおり」の第2話。
読んでいて印象的だったのは、そこに至るまでの理由
が如何なるモノであっても、好きになったという想い
を大切に、相手との関係をしっかりと構築してゆくヒ
ロインの姿。真摯な姿勢を貫くヒロインにほだされる
男子主人公の気持ちが理解できる様に構成されていて
”しのずかあつと”先生の人柄がしのばれました。良作。

スリリングな展開が、クールな筆致の絵柄に相応しい
”吉田鳶牡”先生、表題作・中編。
前編で、ヒロイン”花恵”の実妹”哥子”に誘われ、童貞
喪失した男子主人公”成留”。”哥子”の提案で”花恵”の
処女を奪うことになる”成留”・・・な、ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、実妹”哥子”同様、スレ
ンダーなカラダの”花恵”。クールで硬い描線の絵柄が
醸し出す、清潔感が”花恵”の処女性を表現しています。