スチュワーデス桃語

◆◆◆物語◆◆◆
某、つぶれかけの航空会社でのお話。
主人公は、国際線のパイロットをしていたが女性問題の不祥事を起こしまくって左遷となり、
社内にあるスチュワーデス訓練所で、おちこぼれ訓練生たちの教官にされてしまう。
正直なところ、会社的にはおちこぼれ訓練生たちに手を出してトラブルになり、
両方辞めてくれれば一挙両得、程度に思っての人事であった。
綺麗な正規の訓練所の側にあるボロいプレハブ校舎に押し込められた4人の訓練生。
彼女たちはスーパーおちこぼれの集まりであり、どうにもならない劣等生だが、彼女たちを育て上げなければ
主人公は更なる人事異動で南海の離島で清掃員をやらされることが決定している為、
真剣にスチュワーデスにするべく教育を始める主人公。
熱意だけで空回り超絶ドジのメインヒロイン。
いじめっ子で美貌を鼻にかけて奉仕なんて単語も知らないヒロイン。
パイロット志望だが身長と視力が足りずスチュワーデスを目指した理屈屋で理論家で超堅物のヒロイン。
何故ここにいるのか誰にも変わらない脳みそにスポンジが詰まった巨乳童顔天然色気お化け的ヒロイン。
気が遠くなるほどスチュワーデスに向かない四人組を三ヶ月後に迫った卒業試験に合格させねばならない。
まあ、普通にいってほとんど無理な課題だった。
更に、彼女たちのもう一人の教官にして実技指導員となるのは、主人公の元彼女であり
主人公の浮気に次ぐ浮気に傷ついて別れた過去を持つ現役のエリートスチュワーデス。
彼女のイジメにも似た厳しい訓練、判定に主人公たちは引っかき回されることになる。
果たして、四人は無事にスチュワーデスになれるのか?
主人公は花の国際線に復帰できるのだろうか?
大映ドラマばりの大げさな展開と大仰な演出でお送りする時代錯誤型スチュワーデス育成ゲーム。
「教官、貴方はドジでのろまな亀です!」
「……私は、だろーっっっ!!」
前途多難である。

◆◆◆登場キャラクター◆◆◆
『織田千明』　おだちあき
熱血で真面目で一生懸命な劣等生。
黙っていれば可愛いし、性格もいいのだがとにかく不器用で記憶力がない。
運動神経も全くと言っていい程なく、スチュワーデス以前に日常生活が危険。
しかし、誰よりも奉仕の心と人のために骨身を惜しまない行動力を持っているため、
将来的には立派なスチュワーデスになる素質はある……はず。
好きなものは可愛い小物と占い。時々危ないコトを口走ったりする。
虫関係全般苦手で、特に蜘蛛は死ぬほど怖いらしい。

『高見沢薫子』　たかみざわかおるこ
ミス某大学にして、入学時にはパンフレットの表紙にもなった訓練所一の美女。
美貌を武器に、看板スチュワーデスへの道を約束されていた……はずだった。
彼女は幼い頃から美貌を武器に大抵のことは苦労もなくこなし、誰かのために何かするなどということは
親のためであってもやったことがないというお嬢様育ちの高慢美女だったのだ。
性格の問題を除けば特に問題はないのだが、とにかく全てにおいて自分優位であり、
お客さんに対する対応など考えもつかないらしい。
事故の訓練なんかでは客を置き去りに自分だけが逃げようとしてしかもそれを当然だと思うような人。

『本間有希』　ほんまゆき
チビ、メガネ、幼児体型、と三拍子そろった理屈屋美少女。
成績はダントツトップでこれまた期待の新人だったのだが、とにかく理屈っぽく人を見下した態度を取り
周囲と軋轢を起こして劣等生となった。気が強くていつも薫子と喧嘩になる完璧主義者
元々パイロットを目指していたが身長と視力が足りずに諦めた過去を持ち、
スチュワーデスならギリギリ可能だったので採用試験を受けて成功したものの
周囲が美人ばかりだったことや自分が生真面目でお上手が言えない性格であることがコンプレックスとなり
一種、何かあるとパニックを起こして真っ白になるという欠点を背負ってしまう。
完璧主義者であるが故にちょっとしたことでも真っ白になり、とにかく突発事項に弱い。

『松村樹里』　まつむらじゅり
ぼややんとして隙だらけで、露出多めの服が好きで昨日のＴＶ番組のことしか話題がなくて
活字は新聞のＴＶ欄しか見ない、といったタイプの脳みそポカーンな美女。
乳がでかく、顔立ちは身体に反比例するように幼く、上目遣いでナチュラルに媚を発する色気大帝。
なぜスチュワーデスになろうとしたかを聞いても答えられない天然少女。
言われたことはそれなりにやろうとするのだが、集中力がなく体力もなく知力もなく、
とにかく天然ボケをするためにだけ生まれてきたような存在。しかもむやみに色っぽい。
男子学生にはダントツの人気を誇り、告白された数は数知れず、付き合った数も数知れず。
告白した男が翌日には天然について行けず別れを切り出すという「一日殺し」の伝説を持つ。

『明石　真梨子』　あかいしまりこ
怜悧な美貌、冷静な頭脳、完璧な立ち振る舞い。そして花のごとき笑顔。
全スチュワーデス憧れの的にして完璧の麗人。
でも、実は入社直後に半年ほど主人公と付き合い、処女もその時に捧げている。
無論、彼女はそれを「一生の不覚」と記憶から抹消しているのだが。
訓練生たちの現場研修の教官であり、まだ見習い教官である主人公の指導教官でもある才媛。
厳しく、冷静で一流のスチュワーデスを育てるべく行動する。
が、流石に主人公に対しては激しい私怨があるため当たりが厳しくなることは否めない。