一陣の光s recensionslista

妙に、身につまされる”流嘉”先生の短篇。
職場で、不遇をかこっているヒロインの
”緒方琴”。彼女、唯一の『お楽しみ』は
週末に開放的な空間で楽しむ、一人飲み。
お酒が過ぎて、爆睡していたら、公園に
定住しているオジサンが、彼女のカラダ
をなめまわしていて・・・な、ストーリ
ー。
読んでいて印象的だったのは、結末の妙
味。それまでのダークな色彩が、その結
末からスッキリした読後感になってます。

以前から、その作品を追っている作家さんの短篇が掲載されているのを知って久しぶりに購読へ至りました。今作も変わらず、太く・濃い描線で描かれる濃厚な世界観が楽しめました。本号は、比較的『お姉さんショタ・モノ』かつ、その中でもバリエーションが多彩に進展する短篇が目を惹き、それが『推し』なのかな、と、読後に感じました。

自身初のシリーズ中篇で本巻・描き下ろしマンガを
追加した「～の性活指導」と短篇四作品を収録した、
”むねしろ”先生、自身二冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、同性の無防備な着替え姿
を覗きつつ自慰に耽るコトを趣味としている、生徒
会長なヒロイン”下津瞳”は、くちゅ・くちゅしてい
るトコロを、男性体育教師”藤原”に見つかってしま
い・・・な、短篇「彼女の行為室」。
読んでいて印象的だったのは、腹筋や腰回りの柔ら
かな肉付きを繊細に描きこむ画力の高さ。ただ、そ
の点にコダワリ・注力することなく、ヒロインのキ
ャラクターを勘案しつつ描くバランス感覚は巧みで、
”むねしろ”先生の矜持をそこはかとなく感じました。

重くない作品内の空気感とインモラルな近親相
姦・睡眠姦との、絶妙なバランス感覚が巧みな
”甘露アメ”先生の短篇。
実妹”心愛”は、一度、寝てしまうと何をしても
起きることがないコトを利用し、兄の性欲処理
にそのカラダを利用される”心愛”・・・な、ス
トーリー。
読んでいて感じたのは、柔らかな、その絵柄故
なのかインモラルな設定なのに作品内の空気感
が、重くるしくない点。不思議な読後感の短篇。

”前島龍”先生の、キレッキレな展開も好みですが
本作の様な、ふんわりとした展開もまた、好みな
短篇。
都市伝説を信じて、童貞を卒業したい男性主人公
が出逢ったのは、生気を感じさせない、はかなげ
な美少女”八街詠”・・・な、ストーリー。
読んでいて感じたのは、童貞を卒業したいという
思惑・目的が男性主人公にある様に、ヒロインの
”詠”にも思惑・目的がある点。ふんわりした作品
の、空気感と世界観が新鮮な”前島龍”先生の短篇。

端正な正統派美少女のキャラクターデザインと、
世の中の仕組みやオトコとオンナの関係を熟知
している、抜け目のない気質が同居しているヒ
ロインを巧みに描く”冬嗣”先生の短篇。
『お仕事』を休みたいと母親に言ったら、部屋
から追い出されてしまったヒロイン”陽菜”。隣
の部屋に住む男性主人公に誘われて・・・・な、
ストーリー。
読んでいて感じたのは、なにも知らないようで
熟知している、上手なヒロイン。リアルな短篇。

肉付きいいけどデブではない、絶妙な女体描写が
記憶に残る”変態”先生、二話構成の一作品と短篇
七作品が収められた、単行本。
印象に残った収録作品は、独特な思考を持つが故、
クラスで浮いた存在なヒロイン”朱莉”。そんな彼
女を何故か慕っている”裕樹”に・・・・な、短篇
「それでは頑張りましょー」。自身のネガティブ
な発言があれば、セックスしても良い、と”裕樹”
を焚きつけ、言葉通りに”朱莉”の処女を奪う彼が
印象に残った、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、肉付きはいいけど、
デブには描かない”変態”先生の矜持。その絶妙な
バランス感覚が、ほのかにコミカルな作品の世界
観と共に”変態”先生の個性を構築させていました。

ワルなオンナが更に、ワルなオトコに快楽堕ち
してゆく姿を生々しく描く”魚野シノメ”先生の
短篇九作品を収録した、自身初の単行本。
印象に残った収録作品は、ヒロインで、女教師
”武内ミキ”に憧れ、入学してきた男性主人公が、
その憧れの対象が手練れな男子生徒のテクで快
楽堕ちしてゆく姿を冷静な眼差しで追っている
短篇「憧れはいま…」。
読んでいて印象的だったのは、オトコを手玉に
とっていたヒロインが、更にワルなオトコによ
って快楽を刻み付けられハマってゆく姿を冷徹
に描いている点。冷めた視線で描かれたカラミ
のクールさが記憶に残る、短篇・作品集でした。

扉絵と展開との落差が楽しい”速野悠二”先生の
短篇。
文化祭で使用する備品の運び込みを、生徒会長
”坂下しのぶ”に依頼された、副会長”平井はじめ”
だったが・・・な、ストーリー。
読んでいて印象的だったのは、扉絵と展開との
落差。ヒロイン”しのぶ”が『ふんどし姿』で登
場し、屋外でカラミはじめる、という怒涛の進
行で意外性というか、”速野悠二”先生の世界観
が楽しかったです。本人たちは大真面目な短篇。

”じょろり”先生が描くラブラブ夫婦の一日や、”きのした順市”改めて”うしの”先生の老練なテクが光るネットリ処女喪失、シュールさとインモラルが巧みに同居する”シュガーミルク”先生・・・などなど、書店売りに移行してからというもの、コアマガジン社の底力、怒涛の誌面構成が続いています。コンビニ誌時代のテイストを守りつつも変革する”コミックホットミルク”です。