ホトギリス的赏析一览

表現はそれほど過激ではなく、ダークな話もなかった。おそらくなんらかの自主規制ラインがあるのだろうが、そういった制約のあるなかで、ちゃんと読ませる話を書ける幾夜大黒堂はすごいと思った。
漫画の描きかた紹介とか、四コマ漫画とか、総合雑誌的な側面もある。

一話16～26ページくらいの、ちゃんとしたストーリーが楽しめる話が多い。内容は過激なものではなく、人を選ぶような嗜好のものはなかった。わりと万人受けしそうな内容で、買っても大きくはずれるということはなさそう。

全ページカラー。
フルカラー化だとかで、もともとモノクロだったのをむりやりグラフィックツールかなにかで色をつけたみたいなのがよくあるが、この作品はそういうことはなく、作風にあった、淡い色使いになっている。
さすがに一話あたりのページ数は短いのだけど、一般誌の範疇内でそういうことはちゃんといたしており、それなりのおちも用意されている。

1巻に引き続き、全ページカラー。制服ものなので、当然着衣ものでもある。「ソフトエッチ」ものに分類されるのだろうが、それゆえに、無粋なきざみ海苔なんかはなかった。
巻末には、四コマ漫画がついているのは、1巻と同様。短い話ながら、キャラがちゃんと活きている。
今回はなんとなく、オヤジギャグ的な展開が多かったような気がするが、短い話でそういうことにまで漕ぎつけるには、しかたないのかもしれない。

1話20ページくらいの長めの話のものが多かった。連作ものも多く、このての雑誌にしては、ストーリー性とか続きものであることを意識したものが多いように思う。
FCTが、ペンギンクラブ山賊版に掲載されているのは、めずらしい。

告白というていではあるが、キャラはある程度はつくられている。むしろそのおかげで、あまりの奔放っぷりに幻滅するということはないし、期待されるネット声優像と、そこからややはずれた素顔というギャップに、応えているように思う。
そういう意味で、あんまりキャラをつくりすぎていないというような印象を受けた西森ヒナさんの演技は、なかなかのさじ加減だった。ちゃんと恥ずかしがってくれるし。

メイルから指示がくるというていで、話が進む。音声以外にも、メイルの着信音とか、ボタンをはずす音、服を脱ぐ音なんかがはいっていて、凝っている。声優さんも、なんというか、こんなことしちゃってどうしようドキドキという感じがよく出ていた。
なお、バイノーラル版が同梱されている。

成年雑誌ではよくある価格ながら、そのボリュームは倍。しかも、人気作家の作品が多数掲載されている。
男性がしっかり書かれてあるものが多かったように思う。男子の抑えきれない欲求が、たぎっているような雑誌だった。

寝取られ、ロリものもあったが、基本的にはおっぱいの大きな女の人と、合意のうえに行為におよぶものが多かった。単行本としての全体的な傾向がつかみづらかったが、ひとことでいうならおっぱいが魅力的ということである。

一般誌というカテゴリーだが、行為自体はしっかりやっており、しかもかなりあっさりとそういう状況になる。
おねえさんキャラ、年上キャラが多く、「着エロ」というタイトルに恥じない、服のうえから成熟したボリューム感があふれる絵だった。