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オンナの思惑・オトコの打算をストーリーに練り
込み、骨太な構成ながらカラミもキッチリ魅せる
”さんじゅうろう”先生、短篇・七作品を収録した
単行本。
印象に残った収録作品は、父親が起業したバイク
屋を女手一つで切り盛りしているヒロイン”麻美”。
が、商売上手とは言えず、資金繰りに窮している
ところへ、系列店への参加と、自身の彼女になる
ことをしつこく迫る”冴島”…な、短篇「父のお店」。
読んでいて印象的だったのは、登場人物の思惑を
キッチリ、ストーリーへと練り込み、骨太な作劇
としながらも、カラミそのものもが浮いてしまう
こと無く、見せ場として溶け込んでいる点。巧み
で老練な”さんじゅうろう”先生の作家性を感じま
した。ワニマガジン社系作家さん特有の華やかな
絵柄もまた記憶に残る、確かな読みごたえの一冊。