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「欠けた月 志波悠成【がるまに特典付き】」 へのレビュー

月はどうして欠けているのか

2022年11月08日   アビー さん

このレビューは参考になった x 11人

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本作はスノゥドロップスさんの新シリーズで、あらすじを読んだだけで、[欠けた月]がこれまでの[雨の痕]のようにほの暗い作風であることが分かります。

あらすじを読んだ限りでは、当初、兄は主人公の顔が自分に似ていることから、主人公に執着しているような読み方をさせていますが、事実は真逆でした。
主人公の美しい顔が好きだから、自分の同じ顔を誇らしいと思い、それが損なわれたことが耐えきれなかったのでした。自分から自立しようとする主人公への焦りと追ってできた顔の傷により、ギリギリのバランスで保たれていた兄の精神はついに崩壊したというところのようです。

ただ、主人公の顔への執着は感じたものの、これまでの二人の生まれてから過ごしてきた思い出の積み重ねとか、そういった話がなかったせいか、兄の主人公への愛=主人公の顔の美しさ留まりになっているように思え、主人公の内面に対してはどうなのよ?と思ってしまいました…。(個人の意見です)
あとはやはり、主人公も当初は罪悪感から身を預けていたこともあり、また兄もあくまで主人公の顔に執着しているだけと思って聞いていたので、若干つらい気持ちでした。ですがラストで主人公も腹をくくり、兄妹共に堕ちてゆくことを決めたのは良かったです。

あとこれは意見も別れるところかと思いますが、兄の顔の傷は見せてほしかった。
傷の程度を第三者が判断し、兄の気持ちを推し量るつもりはないのですが、ただ聞いていて、作中の主人公の目の前にいる兄には傷があるけど、実際のリスナーにとっての兄の顔はどんな傷か分からない。
その点が気になり、リスナーとしての自分=主人公としてあまり没入できなかったかなと少し感じてました。

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