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「なりゆきまかせの異邦人 日帰りクエスト」 へのレビュー

オススメ! 30年前のラノベにして、なろうテンプレを踏みしめた王道。

2022年06月29日   Tikuwabu さん

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本作は、スレイヤーズで知られる神坂一先生がスニーカー文庫で書かれていた全4巻のラノベシリーズの1巻です。

異世界召喚された主人公・エリは日常に飽き飽きした女子高生。
そんな彼女は異世界召喚に遭遇、「お試しで召喚された」という経緯に激怒しながら、召喚主の魔道士・レックスを脅して週に一度の召喚を要求を通します。
お気楽な観光風情を楽しむつもりの彼女はしかし、召喚された理由である戦争を目の当たりにして……と展開していく物語になっています。

脅迫の風景であるプロローグなどは試し読みで読めますが、これがまた本当に(現代で言う)なろうテンプレ。
むしろそのテンプレをネタにする内容は「30年前から陳腐化してたんだなあ」と驚かされるものがあります。
スレイヤーズでも「追われる美少女、そこに現れるイケメン剣士――というテンプレ構図のネタ化」を行っていますので、こういうネタ化がお好きなのでしょうね、神坂先生は。

一方で、その物語は現代から見ますとかなり硬派で、かなり血生臭いです。
語り口は軽く、まさにライトノベルスタイルなのですけど(その始祖に近い存在なので当然ですが)、物語そのものはかなりゴリゴリの戦争物。
敵も味方もバンバン死にますし、平然と「結局再び顔を見ることのなかったモブ」とか出てきます。
日帰りクエスト、というタイトルの軽快さとは裏腹な物語です。時代性を感じるところですね。

それにしても、読みやすい作品です。1時間もあれば読めるはず。
神坂先生の軽快な文章は読みやすく、それでいて色々と仕掛けもあって面白みもあり。
意外に今から見ても古臭さはそこまで感じない。そこも上手いところです。

ちなみにですが、合本版(BJ390883)で買った方が若干お得になります。
私もそちらで買いましたが、今更30年前の作品を「様子見で一巻だけ」と買う人もあんまり居ないと思うので(笑)、購入の際はそちらをお勧めしておきます!

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