一陣の光さんのレビュー一覧

本誌の表紙にもなっている”きい”先生の女の子が神がかっている”comic快楽天”2023年01月号。印象に残った掲載作品は、文化祭で軽音ライブも披露した男子主人公の部屋を訪れたベーシストなヒロインとのつかず離れずな関係…”きい”先生、活字が苦手な男子主人公が最近通っている本屋さんにはお近づきになりたいヒロインが…”オクモト悠太”先生、公園で腐れ縁な男子二人がオンラインゲームをしていたら一緒にやりたそうなヒロインが参加してきて…”Hamao”先生などなど。”きい”先生のへそピ・スレンダーヒロインとは真逆な”オクモト悠太”先生のムチムチ下半身・ヒロインも眼福な年末進行の疲れも吹き飛ぶ一冊。

早逝された”カネヤマシン”先生の世界観を思い起こ
させる”せうま”先生、『音楽』と、かかわりのある
ヒロインを主軸とした既刊の初単行本から更に鬼畜
へシフトした、前・後編構成の一作品と短篇七作品
を収録した、自身二冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、一年目ながら注目されて
いる研修生声優のヒロインが、音響監督の男性主人
公から己が性欲を叩きつける対象として標的にされ
る姿を描いた短篇「共鳴する膜と声」。
読んでいて感じたのは、早逝された”カネヤマシン”
先生の世界観を引き継ぐかのような”せうま”先生の
作品世界。ヒロインの処女性をカラダは勿論、精神
に至るまで破壊しつくす、そのバイオレンスな世界
観に、”カネヤマシン”先生の出世作「聖・姦獄学園」
を思い出しました。後年、リョナ的方向性へ移行し
た”カネヤマシン”先生でしたが”せうま”先生は今後、
どのようにして自身の作品世界を方向付けしてゆく
のか、に、個人的興味をそそられました。
『処女膜』を象徴としたヒロインの処女性へ自身の
作家としての『こだわり』を詰め込んだ短篇作品集。

”雛咲葉”先生の超絶お嬢様キャラが濃厚すぎて…”comic快楽天ビースト”2022年12月号。印象に残った掲載作品は、柔道部の猛者な男子主人公が女子部員の友達なヒロインを助けたことから…”雛咲葉”先生、部活が忙しくて女の子とのお付き合いに消極的な男子主人公へ告白したヒロインが…”Pennel”先生、学園祭のノリで彼女が作れるかと邪な下心を抱いた男子主人公が闇営業の風俗店で出会ったヒロインと…”こっぺ”先生などなど。”雛咲葉”先生の超絶お嬢様が目に焼き付いて離れない一冊。

既刊な初単行本で、登場人物のキャラ設定が
上手いなぁと思っていたら、二冊目はさらに
上質で巧みになってました…な、”だむ”先生、
前・後編構成の表題作一作品と短篇・二作品、
三話構成の中篇・一作品を収めた、自身二冊
目の単行本。
印象に残った収録作品は、転校生な男子主人
公”山本比呂”の、唯一の持ち味は持久力。そ
んな彼に、持久走で負けてしまったスポーツ
女子なヒロイン”諸星瞬子”は、負けず嫌いを
発動、”比呂”にセックス勝負を仕掛ける…な、
シリーズ中篇「瞬子、負けず嫌い!!」。初手
からガンガン攻める”瞬子”に射精しまくりな
”比呂”でしたが、持ち前の持久力でジワジワ
と彼女を堕とす彼を魅力的に描いた、お話で
した。
読んでいて印象的だったのは、登場人物のキ
ャラクター設定の巧みさ。前述した中篇シリ
ーズ「瞬子、～」でも、フィジカルに絶対的
な自信をもって攻めるヒロインと、防戦一方
にみえて、持ち味の持久力で”瞬子”を堕とす
”比呂”を軽快なテンポで描いていて、好印象
でした。
ダークな色彩が際立つ、前・後編構成の表題
作「私はただスカートを短くしただけ」も高
品質な、”だむ”先生・二冊目の作品集。良作。

抒情的な作風に最近、惹かれていて”楝蛙”先生の掲載短篇が凄く良かったです…”comic快楽天”2022年12月号。印象に残った掲載作品は、週末は父親と泊りで魚釣りに同行する男子主人公が宿泊先の家族で民宿を営む娘さんなヒロインとねんごろに…”楝蛙”先生、ブラック企業の社畜な男性主人公が疲れマラを鎮めようとデリバリー嬢を召喚したら…”もじゃりん”先生、ヒロインが初めてのウリをしたお相手はオジサン…”mogg”先生、地味な印象のヒロインが眼鏡を外し前髪を下ろしたら…”八尋ぽち”先生、なにかとタイミングが合わずシックリゆかない幼馴染な男子主人公とヒロインが二人揃ってコンビニでコンドームをお買い上げ…”シャモナベ”先生などなど、じっくり味わいたい一冊。

物悲しさを互いのカラダで埋め合うようなカラミ
が記憶に残る”田中エキス”先生、本巻・描き下ろ
しを含む、六話構成のシリーズ「お別れの帰り道」
と、短篇二作品を収録した単行本。
印象に残った収録作品は、住んでいる団地が耐震
性の問題から建て替えとなり、近隣が引っ越して
ゆくなか、幼馴染のヒロイン”優衣ねぇ”に童貞を
捧げる男子主人公”翔”……な、「お別れの帰り道」
シリーズの(1)。
読んでいて感じたのは、意図的な演出要素として
の、各作品のヒロインが身につけているブラ・パ
ンティの地味さ。前述した「お別れ～」の”優衣”
も、話が進むにつれ、本人としては派手なモノを
選んでいるのでしょうが、読み手の側から見れば
一貫して地味なモノで、あえて、それをヒロイン
へ身につけさせることで、”優衣”の身持ちの堅さ
や一途さを、印象付けることに成功しているなと、
読後に感じました。
「お別れ～」シリーズの最終話で本巻描き下ろし
「それからの帰り道」がシリーズ作品全体へ更に
上質な読後感を育んでいた、抒情的な一冊。良作。

美食に対する英才教育を受けて、美食原理主義
な発想が染みついたヒロイン。間違えて立ち寄
ったお店で出会ったメニューに心底、酔いしれ
堪能する…”松本明澄”先生、表題作の1軒目～
7軒目までを収録した、第一巻。
印象に残った収録作品は、学生時代から孤高の
一匹狼だったヒロイン”神乃美子”が、自身とは
気質の異なるがゆえに、苦手意識を抱いていた
タイプの”りんごちゃん”と出会い、親しくなる
様子を描いた「3軒目・魚介カルパッチョ」。
”美子”よりも年上な”りんごちゃん”に、驚きを
禁じ得ない、お話でした。
読んでいて感じたのは、したり顔で論評する表
情と、美味しいものを心底、堪能している表情
とのギャップ。美人なヒロインが目を輝かせて
魅せる笑顔は記憶に残る、と思います。
さまざまな人との出会い・関わりを通して、美
食を探究するヒロインを描いた放浪記の一巻目。

”イゲドアハ”先生・初単行本のお知らせが、収録短篇の後日譚・一篇を含んで数ページにわたって特集され、期待されているんだな～と、改めて感じた”comic快楽天ビースト”2022年11月号。印象に残った掲載作品は、同じ会社の同僚で高嶺の花なヒロインを狙っている男性主人公がエレベーターのトラブルで彼女と二人きり…”ベコ太郎”先生、メインヒロインの幼馴染な女子友が勉強ばかりなので男の子を紹介しようかと持ち掛けたら…”長頼”先生、秋祭りを生徒会で見回りするとノリノリな生徒会長のヒロインに付き合わされる男子主人公の脱童貞・青カンセックス…”にこびぃ”先生、女バスの王子様なヒロインとお付き合いしている男子主人公とのドキドキ初体験…”ガー”先生などなど、ワニマガジン社から猛烈プッシュな”イゲドアハ”先生の初単行本が待ち遠しいデス。

男性主人公やヒロインの想いとか感情を丁寧
に織り込んだ作劇が印象的な”さくま司”先生、
”comic快楽天”へ掲載された短篇・七作品と
各短篇の後日談な本巻描き下ろし七篇を収録
した、自身二冊目の単行本。
印象に残った収録作品は、まわりのクラスメ
イトからは、幼馴染で付き合いの深い、セッ
クス上級者な関係と誤解されている男子主人
公とヒロイン。が、実態はキスすら未経験な
二人…な、短篇「めざめあい」。童貞と処女
な二人が、たがいのカラダで”男と女”を勉強
してゆく姿を繊細に描いた、お話でした。
読んでいて感じたのは、登場人物達の感情を
丁寧に描き込んでいる、展開の妙味。前述し
た「めざめ～」では、初セックスで暴走ぎみ
な行為と、相手を思いやる気持ちとの、二律
背反な流れを繊細に描いていて、好感を持ち
ました。
キャラクターデザインの少年誌的な絵柄が絶
妙にストーリー展開とマッチした一冊。良作。

10月なのに真夏日とか、、、どうなっているの今年の秋???”comic快楽天”2022年11月号。印象に残った掲載作品は、おとーさんとケンカしてえらい荷物抱え男子主人公のもとに訪れた姉ヒロインと翌日やはり男子主人公の部屋にやってきた妹ヒロインとの姉妹丼…”藤丸”先生、市役所へ諸手続きをしにきた男性主人公が窓口で知り合い顔見知りとなった真面目で硬そうなヒロインと…”ほしとラッキー”先生、男らしい身体に憧れてジムに通い始めた男性主人公がそのジムで知り合ったヒロインとオトコ(非童貞)に…”余命3週間”先生などなど。秋の夜長に最適な一冊。