本作ヒロインは導入では「過去の調教による不安要素こそあるがそれでも人類最強で強い」→「やっぱり快楽には勝てなかったよ」を繰り返し、今や本当に強いのかファンの間でも疑問視される咲耶さんです。
その咲耶さんの調教が今ほど決定的でなく、まだまだ「最強」の威厳があったころの調教秘話を題材にしており、シリーズをより深く味わうためには必須といってよい出来になっています。
本作では肉体的な改造に主眼が置かれており、精神的な屈服は次作にゆだねられています。ここで本シリーズのスターといえる魔界調教師が繰り出したウルトラCこと「乳嬲虫」、極めて決定的な役割をしています。
これによる乳房責めと霊力射乳体質により次作の責めが一気に進んでいます。逆にこれさえなければ耐えきったとすら読み取れます。対象に最適化された媚薬成分と刺激で効率よく快楽を与え、さらにほかの責めに対する抵抗力を削る永続的な改造を施す美しいデザイン。陥落前の強固なプロテクトをすり抜けて肉体改造を通した彼に拍手。
ここから一気に快楽に溺れ、さらに霊力防御を自分から手放す悪癖負け癖が
ついてしまうわけですね。
とはいえ咲耶さんは奮闘したといっていいでしょう。いままでのクソザコの印象から味方の不手際で見捨てられ事実上引退させられた戦災者という印象が強くなりました。
遭難者を数か月放置する退魔組織は一方的な落ち度があります。連絡の手段もない閉鎖空間に味方なしで精神的に追い詰められ、さらに快楽という逃避先を与えられると「どうやって堕ちるか」になってしまうんですよね。ストックホルム症候群など似たような事例もあります。いくら体が丈夫で霊力が強くても精神力を司るのは常識的な判断をする人間の脳なので、多少精神力が強くても相対的な弱点ですよね。
抑々実力に劣る若手を庇ったのが契機であり、不倶戴天な相手との戦闘には人質ごとぶち抜くぐらいが正しい対応だと改めて痛感します。