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インクの濃く太い描線で、追い詰められてゆくヒロ
インを激しく、また、丁寧に描く”いのまる”先生の、
五話構成の中篇と、三話構成の中篇、計二本が収録
された作品集。
印象的な収録作品は、保健室で、男子の健康診断を
険しい表情で見守っている”いちか”先生。実は、処
女な彼女の、険しい表情をしている、本当のわけは
・・・な「欲求不満の保健の先生・第一話」。
読んでいて感じたのは、地味で、浮ついたところの
ない、処女なヒロインが、周りに、まるで追い詰め
られるかの様に、男性経験を積んでゆく姿を独自の
描線で描きあげている点。それが、結果的にヒロイ
ンへと幸福をもたらしているので、読後感の心地よ
さに、つながっていると思いました。
前向きなヒロインが印象的な”いのまる”先生の一冊。