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「魔界天使ジブリール1」的鑒賞

    • 2011年03月14日
      評論家推薦!
      多くのユーザーにおなじみのジブリール・シリーズ、その第一作目の小説版。
      ノベライズ化される場合、気になるのはどの程度、原作や基本設定を踏まえつつ、
      原作とは違ったおもしろさが提供されているかでしょう。
      原作にはリカ/ジブリールがなぜ「魔界天使」なのかという部分に脚本の巧さが
      あった分、男性主人公(直人)のカゲが薄いという課題がありました。
      影山二階堂氏はその直人をもっとアクティブで、いい意味でワルノリのすぎた
      キャラに描き換え、シリーズのウリのひとつともいえる「掛け合い漫才」的笑いを
      強化し、ジブリール1をさらにアップテンポでコメディ色の強い
      スーパーヒロイン/ヒーロー物とすることに成功しています。

      課題点をあげるとするなら、それは純愛路線活用の限界ともいうべき、
      原作と比したハード陵辱の削減ではないでしょうか。シリーズのウリのひとつとも
      いえる、「人格を壊しかねないほどのジブリールに対する陵辱」は
      あまり描かれていません。ページ数の関係もあって、濡れ場のバリエーションも
      原作に比べると物足りないと感じられるかもしれません。
      しかし一貫したストーリーに必要なエロスは純愛・陵辱ともに配置されています。

      最後に挿絵は消費者を選ぶ、ややアクの強いものと感じられるかもしれません。
      しかしジブリールの対触手のシーンなど、なかなかのクオリティと情熱をもって
      描かれていて、全体的に及第点を与えられると思います。
      二階堂・雅川両氏の原作に対する愛を感じられる、いいノベライゼーションだと
      思います。
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