『浣腸マゾ日記』~十二粒のいちじく浣腸の恥かしい使用記録

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『浣腸マゾ日記』~十二粒のいちじく浣腸の恥かしい使用記録 [Mania Voice Annex]
Nhóm Tên Mania Voice Annex
Ngày phát hành 15/07/2015
Độ tuổi chỉ định
18+
Định dạng tác phẩm
Định dạng tệp tin
MP3
Ngôn ngữ được hỗ trợ
Thể loại
Dung lượng tệp
202,35MB

Nội dung tác phẩm

amazonで出版されたキンドル版『浣腸マゾ日記』の朗読バージョン。
イチジク浣腸を使用することになったマゾ女性の17日間の記録です。
17日間で、合計2時間49分になります。

『浣腸マゾ日記』~十二粒のいちじく浣腸の恥かしい使用記録
著者◎遠藤まなみ
声◎ななのゆり

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【『浣腸マゾ日記』初日より】

ひとりぼっちの夜がきます。
時計の音だけが部屋に響きます。
いつものことだからと自分に言い聞かせても、さびしくて涙があふれてしまう日もあります。
もしも、もしもわたしが普通の女性だったら、今とは違う時間をすごしていたかもしれないのに。

あなたから命令されたお浣腸の約束を、明日実行に移します。
あれほどご説明しても許していただけないのは残念でなりませんが、それがあなたのご希望でしたら拒否はいたしません。
でも、でも、でも、お浣腸でございます。
あらゆる女性にとってもっとも恐ろしい悪魔のお薬です。
男性に知られたくない器官の1つ、おしりの穴から注入されて、しかも、いちど体内に入ったら何が起きてもかならず排泄させられてしまうお薬です。
そんな恥かしいお薬を、わたしは明日、薬局へ買いに行くなんて。
どうしても信じることができません。
24時間後、この机の上にあのお薬があるなんて想像できない。

消えたい。
わたしは、明日いなくなります。
明日ぜったいにいなくなる。
呪文を唱えるかのように、その言葉を繰り返していました。
けれども、容赦なく陽は落ちて、夜が訪れました。

夕食の後、最寄りのコンビニへ行きました。
買い物の目的があったわけではなく、ただ少し身体を動かそうと思いました。
部屋に閉じこもっていると、明日のお浣腸のこと以外、何も考えられず、何も手に付かないからです。
コンビニまで片道20分。
散歩にはちょうどよい距離でした。
外は、秋らしいさわやかな夜風が吹いていました。
けれども、自分の肉体を意識させられるためか、風が肌に当たるたびに身体が火照るのを感じました。
明日、わたしの身体の中にグリセリンのお薬が入ってくる。
そう思うと、いてもたってもいられませんでした。
いつも渋滞している国道246号が、なぜかシーンとしていました。
たった1台、乗用車が走っているだけ。
この珍しい光景は、わたしの不安を共有し、いっしょに泣いてくれているように見えました。
国道の脇は真っ暗な山でした。
この真っ暗な山の中に、今すぐ入ってしまおうかな。そうすれば、消えることができるかも知れない。
そんなことを考えているうちにコンビニに着きました。
喉が渇いたので飲み物をいろいろと眺めました。
炭酸やコーヒーなど手を伸ばしかけてはやめました。
何を見てもそれが必ず排泄させるものだと意識してしまうのです。
むりやり排泄させられる。
いやおうなしに何もかも。
飲んだり食べたりしたら、明日という日をより苦しく惨めなものにするだけ。
結局わたしは、何も買わずに帰宅しました。
家へ帰っておさ湯をつくり、スプーンで一口ずつ、猫のように舐めました。

今日の午後ずっと、大学時代に言われた言葉が頭の中を巡っていました。
「遠藤ってウンチするの?」
一人の男子学生がわたしに訊ねました。
わたしは何と答えるべきか、数秒の間、頭を急速回転させました。
(「しません」と答えるのは、なんだかおかしい。でも、「はい。します」なんて言えない。そんなのは下品だ)
そして、こう答えました。
「だって、誰でもするでしょ……」
「じゃ、遠藤もするの?」
再確認されるとは予想していませんでした。
非常に困りました。
が、仕方なく、わずかに頭を縦に動かしました。
その瞬間、大声で、
「する! へえ、遠藤ってウンチするんだ!」
と言って、彼はたいへん驚いたといった表情をしてみせ、わたしの顔を覗きこみました。
「あたりまえといえばあたりまえだけど、ショックだなあ。いくら遠藤が上品にしていても影でウンチしてるなんて、だまされているような気分だよ」
わたしはうつむいて、そのまま何も言えませんでした。
その日以降、彼の前でトイレに立つこともできなくなり、わたしはほんとうに影でこっそり用を処理するしかなくなってしまいました。
明日お薬を買ってしまったら、すべての人が、あのときの男子学生のように、
「お前、ウンチするの? へえ、するんだ! ショックだなあ」
と、わたしの顔を覗きこむような気がしてなりません。
ああ、わたしはどこに向かっているのでしょう。

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