Criteriaさんのレビュー一覧

ぽみみ子宅の「別館」ということで、著者の気軽なイラストが見られるのではと期待して購入しました。
以下、主観的ですがレビュです～(ちなみに期待は当たりました)。


【コンセプト・ビジュアル】

内容は気軽でしたが、CGはクオリティ高めです。

著者は「はじめに」や「あとがき」の中で、作品のボリュームについて触れられていますが、キャラの魅力だけでなく、背景や文字、レイアウトといった人物イラスト以外の要素が充実しているので、私の場合、ボリュームは気になりませんでした。
むしろ、ボリュームが多すぎないからこそ、冒頭から最後までラクに読み返し可能だし、細かい内容設定が無いからこそ、自らの想像力で設定を補うと、「いや、こういうシーンが欲しいんですけど」みたいな不毛な争いを生まないですむのではと思います。

長々書きましたが、要するに、気軽に読める作品(でもクオリティは高め)ということです。


【エロ】

メインのCGが多くて良い。

R18のCG集は一方向的なので、「著者が提供するエロ」と「読者が求めるエロ」との間に、差(ズレ)が生まれがちです。買ってみたけど思ってたのと違って残念…なんてことが、同人といえども、容易に起こり得ます。
しかし、この作品のようにメインCG(基本イラスト)が多いと、より多くの読者が満足できるのではないかと思います。ちなみに私は、立ち絵CGとお尻CG、乳揉みCG、おまけCGがお気に入りです。中でも特にエロくてかわいいです。

こちらの作品を買って良かったと思うポイントを3つに分けて書きました。主観的ですがどうぞ!


【内容】
話の展開がおもしろかったです。
まず、コメディとしておもしろい。「手を繋いだだけなのにイキそうになっちゃった」は印象的でした。ツッコミどころは満載です。

それから、デートシチュエーションとエロとの接続に創意工夫を感じました。たとえば、手繋ぎとかキスのところ。「先輩がさっきから口を閉じてる」とか「もしかしてキスを待ってる!?」なんて言うから、普通にキスするのかと思いましたが、予想を上回っていきました。ここのおもしろさは、コメディというより「発想」です。


【ビジュアル】
始終クオリティが高かったです。
R18のCG集というと、イラストやシチュエーションだけに目が行きがちですが、私はイラスト以上にデザインが大切だと思います。画面が散らかっていると、メインであるはずのイラストが薄れるし、話の内容すら把握しづらくなります。

そうして見ると、こちらの作品は秀逸だと思います。たとえば、文字の読みやすさ。心情文では文字の色が少し薄くなっていてセリフと区別しやすいです。あと、文字ウィンドウ(恋愛ゲームとかで使われるやつ)で、画面がかなり整理されています。他に、画面端の装飾、エロCGの背景なども印象に残りました。個人的に、こういったメインを支える部分があってこそ「クオリティが高い」と言えるのではと思います。


【エロ】
表情とセリフが素晴らしいです。シチュエーションが段階的に並んでいるも実用性があるし、買ってよかったな〜と思うポイントです。

今作は雰囲気が過去作と異なるようですが(Ci-enで告知の記事を読んで知りました)、今後もこういった作風のものが出ればいいなと思います…!

イラスト、演出、サウンド、デザインなど、いくつかの要素に分けて考えましたが、全体的にバランスが良いと思います。以下に代表的な要素を書いておきます。

《演出》
まず、コマンドのみという操作性に気軽さを感じる(シミュレーションゲームなので当たり前です)。キャラクタを使ったフィールド探索やバトルは、過去作『ナコの魔法と純欲の怪人』で取り入れられているので、今作で採用しなかったのは合理的だと思う。
Hシーンも安定したクオリティで、段階エロというコンセプトがよく活かされている。
ただし、全画面テキストには改良の余地がある(以下のデザインで詳しく述べます)と思う。

《デザイン》
UIデザインが印象的だった。書体や色使い、ボタンの配置が程よく、統一感も見られた。
全画面テキストは、発想および要領こそ良いが、レイアウトが甘い。原因は視線移動。全画面テキストに切り替わった際に、下方の文章から、上方の文章へと視線を移動させるのがわずらわしく感じる。
加えて、全画面テキストにおいて、「話しているキャラクタの名前」、「キャラクタのセリフ」、「一人称視点のテキスト」が、全く同じ書式で載っていて、少々まぎらわしい。インデントや改行がなされているため、間違えて読むことはまずないし、書体も、その背景も良いのだが、決して快適ではない。「話しているキャラクタの名前」をアイコンにしてみたり、文字の大きさを変えてみたり、何かできると思う。なお、前文の「アイコンにしてみたり云々」の案は例えとして挙げただけで、参考にしたり導入したりしてほしいわけではない。このサークルのやり方で表現するのが最良だと思う。