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「メスガキサキュバス達に搾り取られる本」 へのレビュー

オススメ! 俺達は本当の敗北を知らなかった-雄であるということ

2021年06月21日   種袋 さん

このレビューは参考になった x 46人

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この漫画の主人公はメスガキではない。
本作におけるメスガキとは大人の男を快楽の堕落へと導く生ける災害……細めた目で淫靡に誘い、その全身で精を搾り尽くす獣なのだ。

主人公たるペニス達は滑らかな描線と巧みなトーンワークによって瑞々しく描かれ、デフォルメされた最低限の線に暴力的なまでに初々しい肉の柔らかさを秘めた魅惑のメスガキに捕食されていく。

本作の最も特徴的な部分は、読者の分身たるペニスを積極的に大きく描き、それがメスガキに嫐られる視点の妙味にあるだろう。
大映しにされたペニスは多用される一人称視点を通じて読者と一体化し、一方でメスガキからの視点描写……性の対象として視られていることを確認させられることで、読者は個の視点を超越した官能を得ることとなる。


メスガキ達の大きな瞳は、あなたを、性的対象として、視て、いるのだ。


抗う術はない。肉体的に勝るように見える男達は作中で力任せにメスガキを手篭めにすることはない。ただ誘惑に負け、快楽に負け、なけなしの反抗すら膣内に呑み込まれてイく……それがこの世界の真理であり、不変の条理であることは疑うべくもないだろう。

メスガキは腹の奥でごくりとザーメンを飲み干し、長く伸びる舌で子種を転がす。
逆レイプという言葉があるが、本作を読んでいると「逆」とはなんだろうという心持ちが胸中に浮かぶ。レイプと言えば男が仕掛けるものという先入観に対する疑念ではない。もっと根元的に……我々は、ペニスは、ずっと雌という性に陵辱されていたのではないか。

あの穴にこれを入れるといい気持ちになる……言語も概念もない時代から、雄はこのクオリアに導かれて雌に種を注いできた。
気付いただろうか。雄がどれだけ乱暴に逸物を捩じ込もうと、余裕たっぷりにGスポットを小突こうと、それは誘惑に操られた結果に過ぎないのだ。生物史上最強最大の捕食者……雌というプレデターは口を開けて雄が堕ちるのを待っている。

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