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発売予告がされてからずっと、ずっと待っていた作品。それだけに期待が大きく、勝手にあがってしまったハードルは、簡単に超えられる高さではなくなっていました。が、あっさり上をこされます

作品は主人公が特質してなにかできるわけではない、売れ筋とは違ったアンドロイドを購入するところから始まります。店員が購入に対し、一度待ったをかけるだけあって、ただそばにいるだけ…それだけの性能です。ただ、疲れている時に肩を貸して優しく背中をさすってくれたり、撫でると顔を綻ばせ、お返しにこちらを撫でてくれたり、怖いと言うとぎゅっと抱きしめて怖くないと囁いてくれたり、アンドロイドの無駄に抑揚のない声で好きだって言われて、どうしようもなく愛おしくなります。

環境音はなく、ただアンドロイドのアイが喋っているだけ。それだけのなのに、甘えるだけだった彼女が甘やかしてくれる、かけがえのない存在になっていく過程は自然と涙が出ます

日々の疲れが誰かに肯定されることはそうありません。だからそれを自覚しないよう心掛けていますが、当たり前に身体も、心も疲れます。この作品はそれを自覚させ、そして癒してくれます。なんてこともないあいとご主人の日常の幸せ、その優しさに触れられるこの作品はとにかくオススメです