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「メイドさんはおとこの娘(フォーリーサウンド)」 へのレビュー
2022年12月18日 柄玲(ツカ・レイ) さん
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トラック5『メイドさんもホントは』を中心にレビューする。 本作品は、近頃の流行から絶妙に距離を取るような仕方で反復表現を効果的に用いて、いちゃラブえっちの理念を示すことに成功している。 その反復表現の用い方は、早期に絶頂へと至りその境位から離れずにオホりながら絶頂体験を反復して強めていくという誇張法的なものではない。 むしろ一貫して逆の仕方で反復が用いられている。その仕方とは、微弱な状況を味わうかのように反復しながら絶頂への階梯をじりじりと昇ってゆくという、基本に忠実なものである。 換言すればベタとも言えるこのクレッシェンド的反復技法は、ジーニ君の吐息や喘ぎ声、半淫語的なコメントの隅々に行き渡って、本作品の基調を成している。音響や声優の演技その他全ての要素が、これから強まっていく余地を豊富に残した落ち着いた雰囲気のものであり、この古典的な基調に奉仕するように調整されている。 基本に忠実な歩みの果てに配置されている絶頂は壮観ですらある。絶頂の直前からオホ声未満の声がジーニ君から漏れ始め、オホ声は真に絶頂に至った時にのみ発される。そして絶頂をしばし反復した後に、速やかに安らぎが訪れ、ジーニ君の「大好き」の一声が名残惜しさを覚えさせる。つまり、ここにはいちゃラブえっちの理念が示されている。 速やかに絶頂へと至りオホ声による反復によってその境位に長く留まろうとするという構成の作品が氾濫している中で、この流行りに全面的に乗りつつ新しいことを探求するのでも、この流行りを全面的に否定するのでもなく、古典的な技法へ忠実であることによっておとこの子メイドさんとのいちゃラブえっちの理念を示すこのような丁寧な仕事は稀なものである。 このような作品が世に出たことを言祝ぎたい。みんな買いましょう。100000本売れて続編製作されてほしいので。
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