整う、とはまた違いますが普段様々な音声作品で情熱的で優しい言葉を浴びてのぼせ上った頭が一気に覚めるというか。
失恋を体験するという作品のコンセプトを重々理解しつつも現実をまざまざと突き付けられるような、そんな短編集でした。
相手は同じコミュニティの中の人間として角が立たないように、又はビジネス上の関係性としてある程度心地よく接してくれている中で自分が特別に扱われていると勘違いしたり時と場合によっては素敵に見えてしまう瞬間もあるわけで。
そういったやり取りの積み重ねで芽生えた恋心をひとかけらの希望すら残さず完膚なきまで叩きのめされます。それはもう清々しいほどに。
最初から順番に聴きましたが内容的に会社員のシチュエーションが思いっきり刺さってしまって(日々何かしら迷惑をかけている気がするという意味で)。
あの短い会話の中で当たり障りのない距離感とか遠回しの遠慮とか完全な愛想笑いとか話を切り上げたい空気感が声によく現れていて脈なしだと十分すぎるほど感じられました。今必要な話なのか、ってもう決定打だし個人的にはそういう態度の方がはっきりと拒絶の言葉を聞くより辛いかもしれない。
段々と心が冷えてギシギシと軋む音を立てて心臓が痛くなりました。ツラ…
ホストとアイドルの彼は常日頃から色々と思うことはありそうだけど営業スタイルによっては綺麗に割り切るのも難しい世界だよなあと思いながら後日何らかの事件にならないよう祈ります。
どの彼も表向きの顔から本心を口にするまで今か今かとドキドキしながら聴いていました。立て続けに処されてそれなりに辛くなりましたがそれ以上に普段聴けない罵倒や思い切りぶつけられる嫌悪感たっぷりのお芝居を楽しませていただきました。ありがとうございました。