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兄と妹が異世界で結婚するお話です。

短編作品なので、二人の関係が最初から全て描かれているわけではありません。むしろ、あらゆる苦難に直面し最後に駆け落ちした結果、何をしても許される異世界にたどり着いた、というところから作品が始まります。

異世界では二人の間に困難が待ち受けてるわけではなく、むしろ異世界に暮らす百合カップルやおねショタカップルに励まされながら、無事籍を入れ、式を挙げ、初夜を迎えます。現実には戻れなくなってしまった二人ですが、むしろこれまでの苦労が報われたご褒美のようなお話だと感じました。

以上のような内容ですので、全年齢向けゆえ過激な描写こそありませんが、兄と妹という禁断の関係の純愛ものが好きな方にはおすすめです。

アニメで例えていうならば、小柄で地味目だけれども、たまにボソッと毒を吐いたり、あるいは自分にしかわからないギャグをつぶやいてはニヤリとしているような、ちょっと不思議なキャラが本編で毎回やっている駄洒落シーンについて、動画サイトに「全部まとめてみた」的なタイトルで上がっているような作品です。

一つ一つの駄洒落のクオリティーは、何とも言いようがないところですが、むしろ、変に間を取ったり、声のトーンや速さを微妙に変えたり、なぜか同じ駄洒落を2度繰り返したりと、そちらのテクニックで笑かしにかかってくるのがにくいです。

また、本作品を真面目に聞いている自分自身に対しても、おかしく感じてきたりしてきます。

こういった具合に、二重・三重の仕掛けで笑わせにかかってくる、高度で楽しい作品です。

2018年3月から5月にわたって開催されている「にじわんグランプリ」の中でも、全10部門中最も意表を突いたマニアックな部門である「オーク部門」において、途中経過で1位を独走しているところから本作品を知り、購入しました。

変な方向に期待しているエルフと、実は紳士なオークという、一般的なイメージとは真逆な二人による、噛み合っているようないないような掛け合いとストーリー展開になごみました。

危険物取扱者の乙4は、近年、大手出版社からも「マンガで覚える乙4」みたいなとっつきやすい本が数冊出ていますが、本作品のような音声作品もあったとは、正直驚きました。


指定数量の計算問題のように、近年の難化傾向のツボを押さえていますが、作品中にも出てくるように、この音声作品だけで合格は厳しいかと思います。さすがに試験内容を全部カバーしようとするなら、10時間くらいは必要かもしれませんが(受験準備講習会が2日間なので)。それでも、「受験することになったけど、右も左もわからない」という人のとっかかりにはなるでしょう。

何か新しい勉強(資格試験とか)を始めようとするときのガイドになるような、音声作品がもっと増えればいいと感じました。