一陣の光s recensionslista

”西ゆうじ”先生の脚本と、”引野真二”先生の
大らかで素朴な絵柄が、根底に流れる人情噺
(にんじょうばなし)を引き立てている、表題
作・第12話～第23話を収録した二巻目。
印象的な収録作品は、この日は、元銀座の有
名デパート・OGさんたちがお客様。ヒロイン
”河井明奈”の、きめ細やかな心配りから、車
内は、ほっこりした雰囲気に・・・な第13話
「水に流しましょう」。
読んでいて感じたのは、さまざまな、お客様
との出会いから、懐深く、相手を迎え入れる
ヒロイン”河井明奈”の姿。味わい深い人情噺
を支えていました。大団円な二巻目、最終巻。

人情噺(にんじょうばなし)を丁寧に織り込んだ
”西ゆうじ”先生の脚本を、”引野真二”先生の作
画で展開する、表題作・第1話～第11話までを
収めた、一巻目。
印象的な収録作品は、公休日に、お出かけのヒ
ロイン”河井明奈”。その、お相手が、気になる
”車田二郎”は・・・な第8話「ガイドの休日」。
読んでいて感じたのは、会社の同僚には内緒な、
親子である”河井明奈”と”車田二郎”が仕事上で
もコンビを組み、阿吽(あうん)の呼吸でお客様
を、おもてなし、してゆく過程を、丁寧に描き
あげている点。何故、”車田二郎”が、離婚した
のかという、理由も気になる、表題作の一巻目。

パキパキした描線でシンプルかつ、さっぱり
とした絵柄を描く”西野映一”先生、表題作の
kiss:01~09と、おまけ4コマ劇場を収録した、
青春ストーリーの作品集。
印象的な収録作品は、お互いに失いたくない
存在の”大介”と”智恵理”。更に、確かな絆を
築こうとする・・・「kiss:03」。
読んでいて感じたのは、”大介”と”智恵理”や、
三矢”と”鏡子”、そして”高井”と”ゆゆみ”との
少しづつことなる、三者三様な絆の深め方を、
多彩な色どりを持って描き分けられている点。
あえて、絵柄をさっぱりとシンプルにする事
で、細かなニュアンスを含んだストーリーを、
理解させやすくしている、という印象を持ち
ました。
読んでいて、青春という言葉を思い出す一冊。

「初恋」を主軸にした多彩なストーリー展開と、
”みこくのほまれ”先生が描く、ホンワカ・フン
ワリしたヒロイン達が堪能できる、case1~9と
OMAKEが収められた作品集。
印象的な収録作品は、主人公・”竹臣”が、毎朝、
弁当屋に、足しげく通っているのは、お店の娘
”めぐちゃん”を、なんとか海に誘う為・・・な、
case2.おもいこみ。”めぐちゃん”が、前髪を下
ろしている意味の、実用的な理由に、思わず納
得な、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、巧みなテクニッ
クが、随所に散りばめられた、展開・構成の妙。
サクサク読める読み心地と、爽やかな読後感を
シッカリ味わえました。軽快な読み心地の一冊。

登場人物の、自らも気が付いていない気持ちを、
丁寧に引き出す構成が印象的な、”ふうたまろ”
先生、表題作・SHOT01~09までが収録された
作品集。
印象的な収録作品は、両親のいない”夏”くんは、
先立たれた”兄”の恋人だった”醍醐菜々美”さん
とで、フォトスタジオを家業としていて、彼が、
独り立ちできるまで主体的に働いていた彼女で
したが、石巻レンタルの若社長から、プロポー
ズされて・・・な「SHOT01:守ってあげたい」。
読んでいて感じたのは、相手を、思いやる気持
ちが強く、自らの本心に、なかなか気づかない
”夏”くんと”菜々美”さんの姿。もどかしい感覚
が、本作品を強力に牽引(けんいん)している印
象を持ちました。至極、シンプルな描線が好印
象な、ふんわり優しい読後感が堪能できる一冊。

”おにお”先生の「大熊西～」シリーズ三部作の
中の一本で、表題作・第1話から第9話を収録し
た、一巻目。
印象的な収録作品は、”和月(かずき)”先輩が風
邪でお休みしたので、ケイコ先輩と、お見舞い
へ行くことにした”文人(あやと)”・・・・・な、
第7話「お見舞いにゆこう」。
読んでいて印象的だったのは、部活の先輩女子
である”進藤和月”の、後輩君な”真田文人”との
距離感の近さ。天然で、あまり、深く考えて行
動していない”和月”に対して、異性として、彼
女のことを意識しまくりな”文人”との、バラン
ス感覚が、際立って、繊細に描き込まれていま
した。
”文人”の気持ちが、イタイほどよくわかる一冊。

なかなか克服できない、男性恐怖症に四苦八苦の
”小山内すずな”が記憶に残る、”あずま笙子”先生、
表題作・phase:26~37と、同:EXが、収められた
最終巻。
印象的な収録作品は、クラスメート男子”吉野”君
が、年上な”購買の女神”に失恋?するphase:28。
読んでいて感じたのは、イイ雰囲気になりつつも、
男性恐怖症な”すずな”のことを理解し、優しく見
守る”涼城棗”くんの寛容さ。彼に向き合おうと努
力している”すずな”もまた、良かったです。もう
少し、ふたりの関係性を見てみたかった、という
感想を抱いた、”あずま笙子”先生お疲れ様な一冊。

”篁千夏”先生の、時代考証を基にしたストー
リーと、その絵柄に、ほのかなneo劇画の香
り漂う”八月薫”先生とのコンビネーションに
よる、表題作・第一話から最終話(第八話)を
収録した、作品集。
印象的な収録作品は、いきなり許婚と引き合
わされて、拒んでいた”花那”。”真市”との生
活の中で心を許し合い、彼に、生娘を捧げる
第七話「魂産霊(たまむすび)の島」。
読んでいて感じたのは、物語の初期、小太り
で冴えない印象だった”真市”が、話が進むに
つれ、精悍な男性へと変化してゆく様。ヒロ
インの”花那”が、処女を捧げたくなるのも理
解できる、ビジュアルになっていたのが印象
的でした。
うんちく的・時代考証もまた、印象的な一冊。

登場する動物の絵柄に”手塚治虫”先生マナーを
強く感じさせる”三浦みつる”先生の出世作、一
巻目。
印象的な収録作品は、実家の母親から、家業の
手伝いを頼まれた”青葉春助”は、コッソリ出掛
けようとしますが、”朝丘夏美”も、同行しよう
として・・・な「女だらけのスプリングハウス」。
結局、知られてしまって、体裁の悪い”春助”と、
憧れ(あこがれ)の眼差し(まなざし)を輝かせる
”夏美”を、対照的に描いた、お話でした。
読んでいて感じたのは、後年の作品で特に印象
的になる、一コマ・一コマを精密に描き込んで
ゆく作画スタイルが、この時点で既に、その片
鱗をうかがわせている点。登場する動物に師匠
である”手塚治虫”先生マナーを感じさせるのも
また、印象に残りました。体型が小柄・大柄と
か、男性・女性など対立軸と、母性愛・父性愛
の水平軸から、丁寧にストーリーを紡ぎだす展
開に”三浦みつる”先生の独自性を感じる、一冊。

シンプルな描線で、母性豊かなヒロインを描く
”サイトウヤフ”先生、雑誌ビタマンへ2016年～
2017年にかけて掲載された、短篇7本が収録さ
れた作品集。
印象的な収録作品は、オフ会で一緒に参加する
黒髪・めがねで知的かつ大人な雰囲気の”SAYA”
さんに惹かれている、少し、少年っぽい印象な
”竜也”くん。彼女が、左手の薬指に指輪をして
いるところを見た、と、聞いた彼は・・・・な
「横恋慕シネマ」。今まで、見せたことのない
ところを、垣間見せる”SAYA”さんが記憶に残る、
お話でした。
読んでいて感じたのは、豊かな表情を秘めたヒ
ロインを、シンプルな描線で描いて見せるその
作画力。”サイトウヤフ”先生好みの、山登りを
モチーフにした短篇も収められています。シン
プルな絵柄と深めなストーリーが味わえる一冊。