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主人公(メインとなる登場人物)は、生まれたときから小さな羽のある「イットカン」。人類に似ているが、という一文から、「イットカン」はヒトならざるモノなのか?と、読み始めから考えさせられます。他にも友達の「ワヘレ」君や、「婦警」、「小人」に、「地蔵さん」など、個性豊かなキャラクターが沢山登場します。現実感のある世界のなかにファンタジーな非現実を感じる、不思議な世界へと誘われる感覚でした。

この物語の主人公は「寿司職人」そんな「寿司職人」が中心となった、イイロ様の独特な世界観 × 非常に有名な日本食である「寿司」という面白い作品。イイロ様特有の、現実感に非現実的なエッセンスを足された作品で、不思議で魅力的な小説だったと思います。ギャグとシリアスの「バランス」を楽しんでいただきたいお話です。

お馴染みのシリーズで収録時間は40分。実質20分の作品を、右と左のチャンネルそれぞれから楽しめる内容となってます。
流れるサウンドの種類も多いのが今シリーズの特徴で、短時間でどんどん音が変わっていきます。サクサクと楽しめて良いですね。今回は12分あたりで流れる、少し遠くで鳴る小さくてこそばゆいコリコリした音が特に良かったですね。あれって耳かきなのかな?

短編作品であるため、さっくりと読み終わることの出来る。なのですが、内容はとても深く、イイロ様特有の不思議な世界観で書かれた小説となっています。イイロ様は日常生活で使うような言葉を独特なモノへ、造語へと変換して作品内で使用しているため、知っているはずのモノが見たことのないモノへと変化したような、とても不思議な感覚になりました。

イイロ様の書かれた小説のなかでは珍しいのではないかと感じる、「縦書き」の小説が今回の作品。今回もイイロ様特有の、「独自の世界観」で、理解が少々難しくも感じましたが、楽しむことが出来ました。中二病とタイトルにもあるように「妖精」や「魔人」という幻想の世界の住民や、擬人化されたモノの不思議でユニークな世界がさっくりと読めるボリュームで、まとまっていました。

「関節が逆に曲がったら宇宙人だ」というセリフから始まる小説です。この「関節が逆に曲がったら宇宙人だ」というセリフを言った「梅のばあちゃん」とタイトルにもある「体力男」、そして──「鳩」のお話です。今回は一ページほどの作品で、またまた世界観が不思議だと感じました。「体力男」は最終的に「宇宙人」となってしまったのか──難しく、様々な考察が出来る作品だと思います。

きらびやかなアイドルの世界は光。光があれば、影がある。この作品は、その影にフォーカスがあたっているような感じがしました。主人公はアイドルですが、社長に初めてを奪われてしまうというなんとも悲劇的なお話。そんな生々しくも、どこか現実にもあるのではないかと思わされるような、お話。展開はめまぐるしく、不思議な世界へと落ちていくように変わっていきます。それはアイドルであった少女の行く先、彼女の終わりを示唆させているのでしょうか。なんとも、考えさせられるお話でした。