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「ダウナー系お姉さんに毎日カスの嘘を流し込まれる音声【CV:餅梨あむ】」 へのレビュー

    • 2024年01月05日
      レビュアーオススメ!
      この音声作品の恐ろしいとこは、語られるコト全てが嘘臭く聴こえるところだ。語られるコトというのは「カスの嘘」の他に情景描写も含まれる。

      例えば飛行機が飛んでいると指さされても、音が聞こえないからこれもウソだと疑ってしまう。季節が冬になってきたと言ってもそれはウソだと疑ってしまう。(パッケージ絵的に秋では?)
      他にも缶が落ちていると言われても本当かどうかわからない。もはやこの作品で信じられるのはカスのお姉さんが美人であることと、夕焼け小焼けのチャイムが流れる時間帯である事のみである。

      では、なぜこうも疑ってしまうのか。それはカスのお姉さんのつく嘘の幅が広いことにあると推測する。信ぴょう性がありそうな嘘、嘘臭い嘘を織り交ぜてこの化け物はこちらに語りかけてくる。しかもその語り方にしたって、ただ嘘を淡々と述べるだけではなく、「〇〇っていうけどさ、よく分かんないよね」みたいな伝聞調だったり抑揚をつけてきやがるのだ。

      そのため何かを語り始めると、どんな語り口であろうと全てが途端に嘘臭くなってしまう。音声作品は通常、聴覚の情報を頼りに妄想していくもの。だというのに我々に与えられる聴覚情報は、ほとんどがカスの言葉なのである。しかもトラック1からトラック3までの間、カスの嘘は加速を続ける。嘘の情報が脳を支配する。トラック3「無敵」にあたっては、クトゥルフの怪物と対峙した時のような筆舌し難い恐怖を感じる。

      本作をフリ〇レン風に言うなら「この女にとっての言葉は人類を欺く術だ」。意思疎通が出来ているようで、その実、全く出来ていないのである。

      ***

      と、ここまで本作の恐ろしさを語ってきたが、肝心の購入については極めて推奨する。我々オタクは最早、普通の癒しで満足は出来ない。こうした独特な”癒し”は希少である。類似ジャンルがこれから増えるかもだけど、このサークルには是非とも頑張ってほしい。応援してます。

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