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「不都合な戦場 戦争をめぐる齟齬と失敗の話」 へのレビュー

    • 四章に分かれており、一章が独英の情報戦において英国側の撹乱情報等の為に推理を誤った独海軍の話。ただこれは「理不尽でみっともない」とドイツ海軍を評価するのは可哀想だと思う。

      二章はイタリア海軍の噓つき潜水艦長(多分)の話。これは艦長の嘘よりも、その嘘を真実だと言い通した人たちが居て、その人達のみっともなさが際立つ。

      三章はUSSキティホークにおける黒人水兵反乱の話。これは手違い行き違いを起こしたために未然の反乱防止と早期鎮圧が叶わなかったながらも、最後にはしっかりと艦内を掌握した艦長と副長(特に副長は立派)が、結局の所は軍人としてのキャリアがそこまでになってしまった所、そしてそれが本人達の責任とは異なる理由から彼らを閑職に追いやられたと云う米海軍、あるいは議会の示した理不尽さが興味深い。

      四章はまさしく「戦場もまたあなたの日常と同様、理不尽でみっともないもの」という冒頭の惹句に相応しい題材。
      HMSグローリアスの沈没にまつわる、ちょっと信じられないくらい理不尽で馬鹿げた事実が語られる。
      英海軍にも帝国陸軍の花谷正中将みたいな人が居たのだなと思うと、面白いというか暗澹とするというか……

      ともあれ、四章それぞれ読み応えたっぷりの良い本です。
      個人的には三章のキティホークの話に強い印象を受けました。
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