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「ほんわか魔女のお散歩お取り寄せ便」 へのレビュー

    • 絹のような声の魔女に手を引かれて、どこでも〇ア的なものを通って夜の散歩に出る作品。
      夜の海岸を歩くという幻想的なシチュエーションなのだけど、これが何となくの雰囲気なんてものではなくて、結構本格的な夜の海なのだよね。

      自分は田舎が海沿いの町だったので、中二病をこじらせていた頃、しょっちゅう海に日が昇るのを見に行っていた。
      深夜の4時頃に海岸にやって来て、澄んで肌を刺すような冬の空気の中、ただ歩いたりコンビニの肉まんを食べたり歌を歌ったりしながら、昇る陽をひたすら待つのだ。

      この作品聴いていたら、その時のことをリアルに思い出して感傷に浸ってしまった。
      夜の波の音というのは案外大きい。どうどうという低い音の迫力には驚く。
      でも、うるさくはないのだ。地球の、世界そのものの音というか、我々はこういうものをうるさいとは感じなくできているんじゃないだろうか?
      これ、安眠系の音声作品としては結構大きな音が鳴っている作品だと思うけど、全然眠れてしまう。

      そのリアルに録られた海の音に加え、この作品のもうひとつの強力な武器は、歌。
      ギタレレの波音に馴染む響きと吐息半分の撫でるような歌声。そして曲があまりにもすばらしい。
      ライブ感のある録音と演奏も作品世界に溶けるように馴染んでいる。

      耳かきは自分の環境では少し音が固く感じたけど、作品全体に響く波音の包むような音響には芯から癒される。
      屋内を舞台にしたものが多い安眠音声作品の中でも異色で、しかし強力な癒し効果を発揮する一品。
      実際に夜の海とか行ったことがある人なら風景が浮かんでくる程リアルなので、イメージするために一度行ってみるのも良いかも。
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      5人が役に立ったと答えています

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