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作品内容
ストーリー
娘の婚約者を診るはずだった夜、内科医・明子の白衣の下で、忘れていた女の熱が目を覚ます。平穏な家庭、信じて疑わない娘、淡々と続く日々。母として、医師として、妻として保ってきた境界は、健診という名の密室で静かに軋み始める。彼の誠実な視線、若い体温、鍵をかけた診察室。触れてはいけないと知りながら、抑え込んだ渇きは疼きを増し、やがて戻れない秘密へと姿を変えていく――。
第1章 渇きの夜診 (サンプル)
明子は診察室へ戻った。
超音波装置のモニターは黒いまま沈黙している。明日、あの診察台に健太が横たわる。薄い診察着の下に隠された身体を見て、身長計の前で背筋を伸ばす彼の姿を間近にする。腹部へ温めたジェルを垂らし、探触子を肌の上に滑らせる。
医師として、必要な手順を淡々とこなす。
それだけで終わらせるべきだった。
(終わらせられる?)
問いは白衣の内側へ落ち、答えを待たずに熱へ変わった。
明子はスツールへ腰を下ろした。膝を揃えたまま、指先だけがスカートの裾に触れる。冷房の空気が太腿を撫で、薄いストッキング越しの肌が粟立った。
下腹部の奥で、長く閉じていた水門がわずかに緩む。
(明日、あの人に触れる。結奈の婚約者に。医師の手で、母親の顔をしたまま)
乳首がブラウスの内側で硬くなった。白衣の胸元を内側から押す小さな尖りに気づいた瞬間、羞恥より先に欲望が勝った。
明子は息を殺し、スカートの裾から手を差し入れる。ストッキングと下着越しに触れただけで、身体は待ち構えていたように震えた。
「……だめ」
声は叱責ではなく、願いに近かった。
止めなければならない。そう思いながら、指は下着の内側へ入り込む。ラビアに触れた途端、すでに滲んでいた愛液が指先へ絡んだ。
――くちゅ。
小さな濡れ音が、静まり返った診察室に落ちる。
明子は肩を震わせ、クリトリスを探り当てた。指の腹で円を描くように撫でると、腰がわずかに浮く。身体の奥に溜まっていた渇きが、触れた場所から目を覚ましていった。
健太の名を考えまいとするほど、彼の姿は鮮明になる。
広い肩。若い体温。明日、自分の指示に従って計測器の上へ立つ姿。診察台に身を預け、自分の手を受け入れる顔。
明子は指を膣口へ押し当てた。濡れた粘膜が迎え入れ、ひと節ぶん沈んだところで目を閉じる。
胸の奥では、母親としての自分が引き返せと囁いていた。その声を、女としての身体が静かに飲み込んでいく。
(明日だけ。健診だけ。何も起こさない)
そう言い聞かせながら、指はさらに深く入った。膣壁が収縮し、熱い疼きが背骨を駆け上がる。
(逝きたい……)
仕様
- 短編小説:1編(34,210文字)
- 挿絵:1枚(AI生成)
- 媒体:PDFファイルx2(A4版, スマートフォン版)




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