-
{{ product.dl_count_total|number_format }}
{{ item.dl_count|number_format }} - {{ product.dl_count|number_format }}
-
{{ product.rate_average_2dp }}
({{ product.rate_count|number_format }})
作品内容
可愛いあの子は、いつも同じ場所にいる。
婚約者の浮気現場を見てしまって、家を飛び出した彼女。
雨の中で泣いていた彼女に、傘を差しだしたのは、ウサギの着ぐるみだった。
名前も声も、中身もわからない。それでも、傍にいてくれた。
晴れの日も、雨の日も。ウサギさんはいつも同じ場所にいる。
あの子と一緒にいるだけで、落ち着くようになったのは、いつからだろう――。
中身が何かもわからないのに――私は、恋をしてしまった。
少し色褪せたアーチ形の看板の下、うさぎさんはいつも、そこにいる。
商店街の入口に、ひときわ目を引く白い塊が揺れていた。
「わあ、うさぎさん! 風船ちょうだい!」
子供たちが、列を作っている。
その先頭で、ゆるキャラのようなぽてっとしたフォルムの白いうさぎの着ぐるみが、ミトンのような丸い手で、器用に細長い風船を操っていた。きゅっ、きゅっとゴムの擦れる音を立てながら、あっという間に犬や花の形を作り上げていく。
「……いた」
太陽の光の下で見る着ぐるみは、雨の中では分からなかったが……染み一つない、洗い立てのようにふわっふわな毛並みだった。
(あのお腹に顔を埋めたい……かも)
聖歌がそう思ってしまうほど、うさぎは陽射しを浴びて、温かそうで気持ち良さそうだった。
あの場所には、裏切りも、ドロドロした復讐劇も一切存在しない。ただそこにいて、人々を笑顔にしていた。
聖歌は少し離れた街路樹の陰から、それを見つめていた。ただ子供たちに風船を渡している姿なのに、なぜか胸の奥の尖った痛みが、じわりと溶けていくような気がした。
やがてお昼時になり、子供たちの波が引いていく。
うさぎは、商店街の入口にある、少し色褪せたアーチ形の看板の下でぽつんと立っていた。
喧騒が去り、頭上の看板が地上に落とす濃い影の境界線で、白い身体だけが陽の光できらきらと輝いている。




![可愛いあの子は誰かしら?~中身は聞いてはいけないよ~ [月猫亭] 可愛いあの子は誰かしら?~中身は聞いてはいけないよ~ [月猫亭]](http://img.dlsite.jp/modpub/images2/parts/RJ01642000/RJ01641278/e6d4719fd287a08238d55da27efb2412.jpg)
![可愛いあの子は誰かしら?~中身は聞いてはいけないよ~ [月猫亭] 可愛いあの子は誰かしら?~中身は聞いてはいけないよ~ [月猫亭]](http://img.dlsite.jp/modpub/images2/parts/RJ01642000/RJ01641278/3880d127c8081582dddf2b05bfbae449.jpg)
{
const fallbackSrc = '/modpub/images/web/home/not_found_img_main.png'
if (e.target.src === fallbackSrc) return;
e.target.onerror = null;
e.target.src = fallbackSrc;
}"
>