ぽやぽやさんのレビュー一覧

サムネイルイラストの燕くんの容貌の可愛らしさと、”ツンデレ幼馴染”というキャラクター性に惹かれて拝聴させていただきました。
燕くんがヒロインに対して取るつっけんどんな態度とは裏腹の、不器用な気遣いと愛情を感じる瞬間は微笑ましかったです。初々しい燕くんとヒロインが、出られない部屋という強制力の元、心と体を通わせる様子は少しのハラハラと多量のときめきを感じました。状況に適応しながらも、驚いて叫び声をあげたり、焦ったり、照れたりする燕くんのかわいいこと……。
個人的にysd.さんは燕くんのような可愛らしいキャラクターに声をあてているイメージはなかったのですが、ysd.さんの燕くんボイスにはバッチリの愛らしさがありました。
ysd.さんの狼狽えている様子も目に浮かぶような抜群の演技力と、 angel in whiteさんの細部までこだわった丁寧なキャラクター作りで、燕くんという男の子の立体化がされていました。
収録されている特典も多いため、燕くんをどんどん掘り下げられます。これで770円はお買い得です。

ヒロインの友人・アズサちゃんが可愛かったですね。シナリオが丁寧で、アズサちゃんのセリフ量も十分にあるので、アズサちゃんとしっかりお話することができて嬉しかったです。不穏に巻き込まれているアズサちゃんを絶対に助けたい、そんな気持ちにさせられました。
アズサちゃんの夫・政幸さんの掴みどころのなさにはどことなく不信感を覚えてしまいますが、その不信感は果たして正しいのか?考えすぎなのか?そんな疑問符を浮かべながら物語を楽しむことができました。謎を置いてきぼりにせず、最終的には種明かしをしてくれるので合点します。ただ、謎が地獄を隠しているので、謎が解けていくにつれて沼に足を取られていくような危うい心地にさせられました。
ysd.さんの、穏やかな声音ながらも確かに感じる冷酷な響きもたまらなかったです。

ながしまさんの囁き声が聴けると聞き、胸を躍らせながら拝聴させていただきました。左耳重点の囁きということで、左耳が上を向くよう横を向いて聴いたところ、背中に囁き彼氏・月島くんの体温を感じました。左耳が性感帯の人には絶え間ない心地よさがあるかと思います。
シチュエーション的に囁きが必至で、その密やかさもまたドキドキのエッセンスになっていました。
ヒロインが起床したことに気がついた際の、寝ぼけが混じったながしまさんの甘やかな声がドツボで最高……となり、そこの部分を繰り返し聴いています。

購入前にサムネイルのイラストとタイトル字の装飾で物騒な雰囲気を嗅ぎ取ったんですが、いざ聴いてみるとサムネイルの通りの物騒さがあり合点しました。性行為に及ぶ理由が理不尽でトホホと思ったんですが、乃木さんの語気の荒い強めの口調が聴けて満たされる部分があったのも確かです。
耳舐めが激しく、耳朶を舌で剥ぎ取ろうとしているのか?と思うほど強引さがあり、その点でも”俺様”を感じられてよかったです。

芥くんからの凌辱を被るヒロイン視点とそれを見つめる視聴者視点の両方が楽しめる斬新な形式で、様々な角度から物語に没入することができました。両者の仕様の違いを確かめながら聴くのは、他にはない新鮮さがありました。
芥くんがヒロインに対して抱く並々ならぬ執着心に加え、話の通じなさと我の強さが恐ろしく、そして同時にヤンデレのこういう人生を壊してくる自分勝手さがたまらんと興奮を覚えました。
基本的には配信の形式に則ってはいるのですが、シナリオが鮮やかに進むので、その中でも芥くんとヒロインの関係性・性格・経緯を過不足なく把握することができます。
一条ひらめさんの演技もまた堪能で、興奮を抑えられず声が震えるシーンでは私も興奮が伝播して興奮のウロボロス状態になりました。
倫理観がトンだ陽キャヤンデレにハチャメチャにされたい人はぜひ聴いてみてください。

いつも布団に寝転がりながらシチュエーションボイスを聴いているので、「絶好のシチュエーションだ!」と喜々として拝聴させていただきました。概要欄に書いてある通り、布の擦れる音が入っていたりとクリアな音質でないところが臨場感を高め、まるで彼と一緒に布団に入っているかのような錯覚を起こさせ、リスナーを泰斗くんの彼女にします。
泰斗くんの声音・言葉の節々から彼女への愛情が伝わってきて、照れくささすら覚えます。言外の気持ちを醸し出す二回戦中さんの演技の巧みさはお見事でした。
サムネイルのイラストから感じられる噎せ返るような官能そのままの作品です。

穏やかで優しい動物病院の先生・時任さんの持つ影は苛烈でした。ヤンデレ成分が配合されている音声はいろいろと聴いてみましたが、その中でも時任さんのヤンデレレベルは高かったです。柔和な容貌・温厚な声音と相反しない、獣じみた本性を腹の中で飼っていたんだと思うとたまらないものがあります。
理知的な印象のある時任さんですが、セックスのことを『交尾』と称しており、そこに剥き身の淫猥さが感じられて興奮を覚えました。

音声でこんなに存在感を出すことが可能なんだと、初めて拝聴した時は本当に驚きました。ヒロインを寝取ってこようとする友人は確実にいます。吐息の熱さまで感じられるほどの近距離にいます。気配が人の形をしていました。
耳元で囁かれたりなんかするとまるで本当に囁かれているように感じられます。「もしかしたら耳濡れているのでは?」と触ってみても何の変哲もない普段の耳だったので逆にビックリしました。
SEも生々しく、それも相まって臨場感が増していて完全にリアルでした。寝取り友人の存在感、ぜひ一度聴いてみてほしいです。すごい。

親切だな～と感嘆したのが、右耳寄りの音声と左耳寄りの音声がそれぞれ用意されていたところです。性感帯の耳ってそれぞれ違うと思うので、自分の耳に合わせて選べることができて良かったです。

森あっくんさんの作品は初めて拝聴したのですが、声音も甘やかで演技もナチュラルかつ巧みで素敵でした。

イケない兄こと秋良さんの行動のえげつなさには軽く恐怖を覚えました。徐々にヤバさを露わにしてくるタイプではなく、最初からエンジン全開にヤバいタイプです。なかなかに過激な行動をヒロインに対して起こしてくるので、聴きながら「嘘だろ……」と天を仰ぎました。性癖の間口が広く、兄に躊躇のない歪な愛情をぶつけられたいという人はぜひ聴いてみて、そのヤバさを堪能してください。手頃な値段で密度の濃い愛情を感じることができます。
特典の『お兄ちゃんが弟になっちゃった?!』は乃木さんの弟ボイスがとてつもなく可愛かったです。乃木さんの兄ボイスも弟ボイスも楽しめる、一粒で二度おいしい作品でした。

男性からの乱暴な性交・暴力行為にトラウマがある人は聴くのを控えた方がいいと思います。追体験をしてしまう恐れがあるので、視聴の際にはお気をつけください。

前作『ドアノムコウ』を拝聴して、好奇心に駆られたので今作もダウンロードさせていただきました。今作は『ドアノムコウ』の明確な続編というわけではないと思うのですが、テーマとしては類似したものでした。ただ、内容が『ドアノムコウ』よりも格段に恐ろしさが増していて、肝が冷えて脈が速くなるようなシーンもありました。強引な性交だけでなく、タグの”リョナ”から窺えるような暴力行為もあるので、『ドアノムコウ』を聴いて少しでもしんどかった人は聴くのをやめた方がいいと思います。ちなみにタグに”ホラー”とありますが、心霊的なホラーではなく、人間の恐ろしさからくるホラーでした。怖かったですね……。
繰り返し聴くにはカロリーが高いですが、たまに聴いて自分の被虐心を癒すにはいい作品です。