婚活に専念するためとはいえ、千景くんとのセフレ関係を解消しようと思ったのが運の尽きと思わざるを得ません。
千景くん以外と結婚したいなら千景くんとセフレになるべきじゃなかったし、千景くんとセフレになったなら千景くん以外と結婚しようと思うべきではなかった。これに尽きます。
千景くんを選んだ以上、それ以外は許されないといったところでしょうか。
そうした選択肢の狭まりが狂愛のサビだと思っているので、個人的にはとてもよかったです。千景くんが提示する選択肢しか基本的に許されないところも含めて、タイトルにある通りMの方向けと言っても過言ではないのかもしれません。もちろんMだという自認がなくても一途な愛が好きなら全然問題はないかと思います。紹介ページにあるように失禁などの小スカ要素はあるので、そこは人を選ぶかもしれません。
作中を通してあまりの一途っぷりに目眩がしました。千景くんによる軟禁を経てこちらは千景くんしか見えなくなりますが、それよりもずっと前から千景くんは私のことしか見えていないんだと思うと、序盤の飲みの席でのシーンもどこまで千景くんの手のひらの上なんだろうと考えさせられます。
睡眠薬を仕込む千景くんは鼻歌を歌って嬉しそうなのに、この先に自分を待つのは千景くん一色の人生だと思うと、なんだかすごいところを見てしまったなと思ってしまいます。