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人間に近いアンドロイドを生み出す研究をしている貴方と、その研究成果であるアンドロイド、ルーク。そんなふたりの、胸が張り裂けるような恋を描いた本作品。

平坦な口調でいかにもアンドロイドらしいルークですが、貴方が頭を撫でると理由は分からないけれど心地よく感じる、と人間らしさを見せます。

このまま研究は順調に進むかに思えましたが、あることが原因でバグが発生し、それが思わぬ事態を招いてしまいます。

ルークの口調が滑らかになり、感情も豊かに。自分のなかに渦巻いていた感情が「愛」だと理解できるようになり、貴方への「恋心」が芽生えます。

貴方もそんな彼を受け入れ、晴れて両思いに。しかし、ここで人間に近づいてしまったが故の悲劇が!!!!

貴方との恋路を邪魔する存在をゴミ呼ばわりし、彼が人を刺してしまいます。でもここで一番怖いのは、動揺する貴方をみても、その理由が分からないところ。邪魔な存在がいなくなればいい。人間なら一度は考えてしまうことかもしれません。でも行動に移さないのは理性があるから。人として大切な部分が、明らかに欠落してしまっている……

そこからの、貴方の愛を取り戻そうとする彼が、ひどく切なくて。身体を繋げれば愛は戻ると信じての無理やりな行為。何もかも間違えてしまっている。でもひとつだけ確かなことは、彼の貴方への愛。それだけは、紛れもなく本物で……そう思うと涙がとまりませんでした。

そして、そんな彼を救うために貴方が選んだのは、彼のリセット。愛してると言ってくれたのに、なぜ、と彼は口にしますが、愛してるからこそ、ですよね…ｯ。

無情に響く指輪の落下音……リセット後も、完全には消えていない貴方との愛の記憶、そして愛の結晶……何処か無機質に響く最後の「大好きです博士」にトドメを刺されて、切なさで胸がいっぱいに――でも、悲しいだけじゃなく、誰かを愛する温かさも感じる、いつまでも心に残る恋のお話でした!!