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「ブラン・カッツェ~Le Petit Chaperon Rouge 前編」 へのレビュー

オススメ! 運命のはじまり

2021年03月30日   ろこ3 さん

このレビューは参考になった x 16人

本館で催されている父親の上級大将就任を祝う宴の賑わいが、離れに住まう主人公の元に流れてくるところからお話が始まります。
御使いという稀有な能力を持つがために、浮世から隔離され、籠の鳥として生きてきた主人公と、野望を抱えて只管上昇に注力するキリシマ中佐との出会いから、結ばれ、そして…が描かれています。
もうもう、本作の発売を心待ちにしていました!
時間軸としては後となる前作を聞いていなくとも楽しめますが、なるほど、だから二人の関係がああであったのかと、ピースがはまっていく爽快感を味わえますので、ぜひ併せて聴くことをオススメします。
世界観が具に語られるわけではないのですが、緻密な設定に裏打ちされたストーリーは骨太で、キリシマ中佐の生い立ち、野望を抱くに至った経緯が丁寧に無駄なく語られています。そして、キリシマ中佐の手で、孤独で無垢な主人公が愛欲を教え込まれていく過程が緻密で濃密です。
房事の指南書って言ってもいいくらい。特に初花を散らすあたりはファンタジーもあるけれど、これくらいの気遣いが必要なんだと男性に参考にしていただきたい。
トラックの時間数としても、内容としてもかなりボリューミーで、この価格はお買い得ですね。
しかも、これで前編!まだ中編と後編があり、この物語の世界を垣間見る機会があることに心躍ります。
声優さんの御声はやや低め、活舌の明瞭で、感情をあまり揺らさないあたりに軍人としての習い性が漂います。一方で、プライベートでも礼節を持って接していたのが、肌を合わせる時から口調も変わり、うっすらとであっても感情を乗せてくるあたりが、主人公に異性として意識させ、唯一の心のよりどころとして引き寄せていく抜け目のなさが顕れています。
優し気な顔をした彼に心を引き寄せられ、愛欲を教え込まれ、そうして彼の野望に巻き込まれていく、抗えぬ運命に叩き込まれていく状況を味わいたいときにおすすめです。

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