花で読みとく「源氏物語」 ストーリーの鍵は、植物だった

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花で読みとく「源氏物語」 ストーリーの鍵は、植物だった [講談社]
販売日 2024年05月17日
シリーズ名 花で読みとく「源氏物語」 ストーリーの鍵は、植物だった
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作品内容

◆花をよく観察していた紫式部
2024年のNHK 大河ドラマが、紫式部の生涯を描く「光る君へ」となりました。
 ご案内の通り、紫式部の「源氏物語」といえば日本のみならず世界文学史上の名作で、源氏物語では約110種の植物が登場します。源氏物語は登場する植物の生態の記述や表現が至極正確で、しかも、各植物が物語の場面をつなぎ、人物表現や心理描写、場面転換に寄与しています。
 源氏物語と植物の関係を知ることで、源氏がさらに面白くなります。

◆キャラクターや物語の進行に、効果的に植物が使われる
 紫式部は、人物や巻名に植物の名をつけることで、読者のイメージをふくらませています。
 重要な女性登場人物の名前には植物がからむことが多く、ヒロインの紫の上(ムラサキという植物があります)は臣下最上の色彩である紫色から、物語中最上の女性だと連想させています。現在、ありふれた植物であるアサガオは、当時は渡来したての新規な輸入植物で、朝顔の宮の楚々として清く貴い人物を示唆します。末摘花はベニバナの別名で、姫の赤鼻をもじったギャグです。
 さらに、各場面や和歌の中にも、植物が使われます。源氏が紫の上を見初て詠んだ、
  おもかげは身をも離れず山桜 心の限りとめて来しかど
(山桜の美しい面影が私の身から離れません。
私の心のすべてをそちらに置きとどめてきたのでしたが)
 では、古来日本人に親しまれてきた桜をヒロインになぞらえています。
 全編に散りばめられたウメ、サクラ、ヤマブキ、フジ、アサガオ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、モミジなど、今も私たちが慣れ親しんでいる花や樹木が、登場人物に艶やかな彩りを添えています。四季折々の美しさを湛えた花は多くの場合、歌に詠まれて贈答され、時に風景の中で情緒たっぷりに語られ、時に人物にたとえられ、そしてそれらを模した色目の衣服が雅な人たちによってまとわれます
 本書では、本編を彩る主要なキャラクターごとに、花や植物との関係をひも解きます。



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